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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

原発の司令塔の真実は!(思考・感情・行動 5/10)

2012-04-24 | 第十章「今ここでの恩寵」

 昨日は、セザンヌ展に夕方よった。自分としては満足し、好きな絵の複製でも買おうかと思ったが、いつものように好きな絵は不思議に店頭になく、重い図録を買おうとも思案したが、結局に買わず帰路についた。

 帰り道の多摩センターで本屋さんに立ちよったら、3.11関係の本で「福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書」(財団法人 日本再建イニシアチブ 1500円)が眼にとまり、ちょうどFacebookでHさんが福島第一原発の現場からの報告のシェア情報を提供していただいたこともあり、さっそく購入し読み始めた。大きく重い本であったが、図録を買わず買ってよかったと、後で思った。

 昨年の3.11は、津波も本当に大変であったが、原子力発電の問題は八王子に住む私にとって直接的な問題であった。直後からしばらく、いろいろ心配した。限られた報道に振り回されたり、インターネットに踊らされしたが、実際の現場や首相周辺がどのような対応をとったかは、この時代を生きる私たちにとっては強い関心事である。でも、書店の本はさほど売れていないのも不思議である(今回は250Km圏内まで当事者だったのに。私も危うく買わないで済ましたかもしれないが)。

 日本人の原型を奈良時代に求め、U先生について持統天皇を研究したり、最近は平家物語の世界から日本のこころの特徴を研究しているが、未曾有の危機のなかで、どのように日本人が思考し、感じ、行動をしてきたかは原型を探るうえでも興味があるし、今後の事故は、比較文化をベースにした臨床心理を深めるうえでも、大切かもしれない。

 まだ、本の1/3程度しか読んでないが、今回の事故での官邸を中心としての危機対応をかなり理解できた。読んでの感想であるが、早い時期に最悪のシナリオが作成され(その中で八王子も含む250Km圏内も、充分危機の中にいた)、事故の中枢にいた方々の共有認識になっていたこと(フォーカシングでもでてくる、とても重要な作業)。そして、それが何とかなったのも、いくつかの偶然と言ったらよいのか、人知を超えたようなこともあったかもしれない。それは、もし、こうした事故が阪神大震災の前夜に勃発していたら、現地の司令塔(免震重要棟 なんと2010年に作られた)は当然なく、官邸の危機管理センターもなく(1996年ごろ設立?)日本はどんなことになったろうか。

 さらに、今回興味をもって読んだのは、原子ムラの存在と、その甘えの構造(日本古来の文化のひとつ)である。悪い面もたくさん指摘されているが、発電所対策本部が官邸の指示とは異なる対応(注水の継続)をしたことも日本的である(もちろん危機管理上は大問題である)。危機の中での甘えの構造は、時にプラスに働くのだろうか。

 今回の事故は大変な危機で多くの当事者は極限状態に陥ったと思う。そして、その中で奮闘する(その奮闘は傍観者的な報道からは抜け落ちることも多々あると思う)。それを知るのは貴重な経験である。なお、極限状況は日常と一見別の世界のように思われが、生命の本質からすると、当たり前のことかもしれない。考えてみれば、誰でも人生に一度や二度極限状態に置かれるものである(たとえば死を前にするなど)。そして、今回の事故は、一市民に過ぎない私も学ぶことは多い。よりよい社会をつくるためにも大切だとも。

 思考・感情・行動 5/10

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