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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

もうすぐ夏! (感情生活 6/10)

2012-05-29 | 第一章「意識と知覚」

 凄い豪雨があったりするが、気候は夏に向かっているようだ。写真は先日多摩動物公園で撮ったペリカン。ゆっくり、泳いでいるさまは何とも風情があった。

 さて、持統天皇関係の本を読んでいたら、有名な一句にであった。

 <春過ぎて 夏来るらし 白たへの衣干したり 天の香具山>

 この歌は、有名な歌ではあるが、さまざまに解釈されている意味深長な歌である。その解釈はさておき、私は、この歌を読むと持統天皇の中にある大きなアイデンティティの変化(確立か)を感じてしまう。

 以前にもお話したが、持統天皇は天智天皇と蘇我倉山田石川麻呂の娘である遠智娘を両親にもつ。当時は政略結婚で、母方と父方のべつべつの世界に引き裂かれそうになるなか、自分のアイデンティティを確立していくのは凄まじい政治の世界の中でとても大事だったのではないかと思う。

 アイデンティティが定まると、人は何かが変わる。そして、それは少なくとも感情生活にはプラスとなり良い歌もできる。

 蛇足ではあるが、恐らく白たへ歌は天武天皇が崩御されてから、いくつかの試練を越えて政治的にも安定期を迎えるころの歌だと思うが、天武天皇が崩御されるころは様々な意味で大混乱の時だったのだろう。天武天皇への次の挽歌も味がある。ただ。数少ない持統天皇の歌で、この挽歌にも衣がでてくることがとても気になる。白たへの衣、普通の洗濯物ではなく天女の羽衣とする意味深な説もあるが本当かもしれない。

<やすみしし 我が大君の 夕されば 見にしたまふらし 明け来れば 問ひたまふらし 神丘の 山の黄葉を 今日もかも 問ひたまはまし 明日もかも 見したまはまし その山を 振り放け見つつ 夕されば あやに哀しみ 明け来れば うらさび暮らし あらたへの 衣の袖は 乾る時もなし>

(和歌は「萬葉集(1)」(日本古典文学全集 小学館)より)

 感情生活 6/10

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