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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

リズムと旅!(旅と真善美② 8/10)

2013-09-15 | 第六章「螺旋状に上昇する意味」

 旅を研究していると、リズムの問題が不思議に出てくる。立花隆氏の思索紀行で印象的だったのは、アラビア語のことであった。氏によるとアラビア語は世界共通の文語(コーランに代表される)があり、地域ごとの口語があり、何と文語は七世紀の古代の形式を継承しているとのことであった。

 そして、文語としてのアラビア語は独特のリズムを宿し、表面の意味以上の意味を表現し、今でも世界中で公式の場で毎日使われているイスラム社会の中核文化なのである。

 たまたま、世界的詩人のオクタビオ・パスの詩論「弓と竪琴」(岩波文庫)を読んでいたが、その中にもリズムに対する素晴らしい卓見が書かれている。詳しくは直接読んでいただきたいのだが、日常的な時間(リズム)と非日常的な時間(リズム)の話もあった。聖なる期間、儀式、そして祝祭は非日常的なリズムの世界で、恐らく私たちの旅もそうした一面が本来あるべきなのだろう。

 宗教の世界とは一線を画する西欧の臨床心理学の世界の系譜をもった、U先生の生き甲斐の心理学も、リズムに特別な関心を持っている。24節気は日本で伝統的に用いられている季節感であるが、これを意識化するだけで、人は不思議に健康を取り戻す一面がある。そんなこともあるのだ。

 7-8世紀の日本の原型研究の中でも、U先生は万葉集を特別に注目されている。人麻呂や額田王のような天才詩人の背景にもある五七五のリズムは、先のアラビア語文語ではないが、日本の非日常的なリズムであり、日本人の原型に深く関わるのではないだろうか。

 そして、敬愛する理論の一つカールロジャースの理論の要の19の命題も、原文で読むと美しくリズミカルだ。 次の命題1は、それを理解するだけで心の平安が得られるという最も有名な命題だが、心地よくリズミカルだ。誰か日本人版の五七五で作り替えてみたらどうだろうか。

  1. All individuals (organisms) exist in a continually changing world of experience (phenomenal field) of which they are the center. (英語版wikipediaより)

    個人(有機体)はすべて、自分が中心であるところの、絶え間なく変化している経験の世界(現象的場)に存在する。

 写真は、遠野で見た満月。この月も日本人のリズムを教えてくれるようだが。 

 旅と真善美② 8/10

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