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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

ハケ(崖線)の清らかさを感じつつ、恋ヶ窪の伝承を味わう!(時の旅③ 3/10)

2013-10-22 | 第七章「光と復活体」

 前の会社で府中オフィスに通っていたころ、時々一駅か二駅前で降りて、のんびり歩いてオフィスまでの散歩を楽しんだことがある。そのときに、多摩川からちょっと離れた府中崖線に沿った道の風情を楽しんだが、府中崖線に沿った周辺も歴史的な遺跡が多いことも知った。

 有名なところでは大國魂神社とか、武蔵国府跡なども。そして、府中崖線では綺麗な清水が湧いたり、崖の上からは美しい富士山も見えたりする(因みに府中本町駅の構内には富士山が綺麗に見える有名スポットが)。

 今も昔も、綺麗な水があり眺望もよい場所で生活したいと考える人は多いと思う。

 さて、今度、太極拳の仲間と遠足することになった府中、国分寺周辺には、府中崖線があるが、さらに国分寺崖線がある。崖線のことを地元ではハケと呼んでいるが、こちらは多摩川からさらに離れた崖線であり、そこで生活をしてきた人は遺跡から、縄文時代やそれ以前に及ぶことが判るそうだ。

 そして、先日は武蔵国分寺跡を下見に行ったが、国分寺を中心に見ると北の玄武の方向にはハケがあり、お鷹の道を起点に車で、貫井神社まで探索した。写真のホトトギス?は貫井神社で撮った写真。大岡昇平の武蔵野夫人の舞台もこのあたりであり、私のように縄文土器など古代史に興味を持てない人は武蔵野夫人を読まれたらと思う。

 ハケには、歴史遺跡だけでなく、伝承もある。

 昨日のように大銀杏の幸福曲線の伝承ではないが、日本人の魂観を考えさせられる話が。縄文遺跡でも有名な恋ヶ窪の悲恋の話である。畠山重忠と恋ヶ窪に住んでいた遊女、夙妻太夫(あさづまたゆう)の悲恋の話である。遊女と客の関係を超えて真心の付き合いになっていたにもかかわらず、重忠が西国に出陣してしまう。

 そのため、夙妻太夫は深い悲しみの中に落ちるが、一人の男が嫉妬から重忠が戦士したといううそをついてしまう。それで悲観した夙妻太夫はなんと姿見の池に身を投じてしまうのだ。村人は、夙妻に同情して、手厚く葬り、さらに墓のわきに松を植えたところ、その松が西国に向かって西へ西へと傾いて伸びたそうだ。その後、重忠が戻り、悲しい経緯を知り慟哭し、夙妻のために一堂を建立し、阿弥陀如来像を安置し弔ったそうだ。(国分寺市教育委員会発行 ふるさと国分寺のあゆみを参考にしました)

 辛い話と、裏腹の阿弥陀如来像の話。光と影の強い話ではあるが、天国(極楽)で二人が再会することを信じてみると、何ともいえない伝承の美しさを感じてしまう。

時の旅③ 3/10

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