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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

聖地は何故すごいのか?(愛を思索する旅 ② 4/10)

2013-12-13 | 第九章「愛」

 10年前には想像もしていなかったが、この2年間で随分、様々な聖地を訪問することができた。その中には有名な聖地もあれば、私的な聖地(例えば、ウィーン大学のフロイト像見学)もある(笑)。

 そして、聖地に訪問することにより何かが変わる。それは内的な変化といってもよい。

 この変化のプロセスを考えると、心理学者のカール・ロジャースの理論を思い出す。ロジャースの6条件と呼ばれる理論は、非指示的カウンセリングとも呼ばれ、今でも様々に応用されている。

 ロジャースが自らも実践したという国際平和構築のツールとして、あるいは発見学習といったような教育の世界にも応用されているのではないだろうか。そして、その理論を思索しつつ、様々な文化現象などをみていくとハッと驚くことも。

 ロジャースの6条件は学術用語で書かれているのでとっつきにくいが、超訳するとこんな感じである。

 1.相手とのラポールを意識する。お互いに楽しくなる話題とか、雰囲気とか様々だが、ちょっとしたことで、心と心が繋がるのだ。

 2. 相手が取り乱しているかどうかを的確に意識する。傾向を見抜くことも大事かもしれない。

 3. 自分も取り乱すこともある。自分の心の調子を観察し、純粋と一致であれば傾聴が可能に。

 4. 相手がいろいろ言ってきても、否定するのではなく、ひたすら傾聴する。人間観が大事で、相手の尊厳(愛そのもの)をどこかで信じる。回答はカウンセラー側にあるのではなく本人の中にあると意識する。

 5. 相手の言っているロジックではなく、相手の感情を理解するように務める。そういう環境で、そうなるのは当たり前だなと。

 6. そんな中で、自分が多く語らなくても、相手は自ずと安定してきて、光を見出していく。

 ラポールからのプロセスは、ちょっと乱暴だが、序破急、起承転結、そんな芸術のプロセスにも何となく似ている。

 そして、ちょっと飛躍するのだが聖地と誰もが認める場所でも同じようなプロセスを感じてしまう。

 例えば、写真の伊勢神宮・内宮。

 写真の五十鈴側の清流は有名だが、宇治橋鳥居をくぐり(冬至には日の出が輝く)、清流の五十鈴川を渡る。心地よい橋を渡る中で、まるで神と人とのラポールが築かれていくようだ。そして、様々な心の汚れを手水舎で清め、さらに五十鈴川御手洗場で清める。一の鳥居、二の鳥居をくぐる中、不思議な道の起伏や大木の中で、厳かな気持ちになっていく。そして最後の鳥居をくぐって御正宮へ。

 大きな玉砂利で足元を確保しつつ垣内で正式参拝をする方も。二礼二拍一礼の古来の礼を尽くしつつ御正宮を拝見するときに、何かを感じ何かが変わる。

 仏教徒であった西行が伊勢神宮で「何事のおはしますをば しらねども かたじけなさに 涙こぼるる」と読んだのも頷ける。

 1400年歴史のある遷宮システムに守られた聖地。何という素晴らしい知恵の結晶なのか。下手なカウンセラーや精神科医に行くより(自戒をこめて)、どれだけ素晴らしいか。

 愛を思索する旅 ② 4/10

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