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物語で湧き起こる感情・罪悪感を考える!(心の健康度 ⑦ 2/10)

2014-06-18 | 第五章「和解と平和」

 昨日はU先生の勉強会のあと、映画「ノア約束の舟」を久しぶりに映画館で観た。通常、途中で眠くなったり、ちょっと飽きたりすることが殆どだが、今回の映画は最初から最後まで、ぱっちり眼を皿のようにして鑑賞させていただいた。

 旧約聖書に題材をとり、天地創造、アダムとイブ、カインとアベル、アブラハムとイサクを彷彿させる部分など特殊撮影の効果も抜群で感動した。しかし、暗い感情の中でも罪悪感の取り扱いは実に難しい問題。

 罪悪感というと、キリスト教などに結びつけ、日本人にはちょっとピンとこないところがあるが、実は今江戸時代の様々な物語を読んでいて(「江戸名所の謎」という、雲村俊慥氏の本を中心に)、市ヶ谷の浄瑠璃坂の仇討、浅草の観音様の話(姥が池伝説)、その中で出会う暗い感情の中で罪悪感が大きな働きをしていることを感じてしまう。日本文化のエートスの中にも、罪悪感は大きな意味があり、その処理の仕方は大切なのだろう。

 今朝、先日訪問した皇居の東御苑にある天守閣についても、保科正之の物語を読んでハッとした。保科正之は二代将軍徳川秀忠の落胤で、高遠藩の保科家に養子として何とか引き取られ(正妻に殺してしまえと言われたとも)、その後正妻が亡くなった後に、腹違いの兄弟である家光と親密になっていく。そして、三代将軍家光が亡くなったあと、補佐役として家綱の替りとして、政治の中心となっていった人物である。江戸の10万人の死者を出したとも言われる振袖火事の悲惨を切り抜け、活躍していく。写真の江戸城天守閣も振袖火事で真っ先に焼失したとも言われるが、再建は保科正之の御進言で、天守閣建設は中止された。保科正之の心中は如何だったのだろう。

 エリクソンの人格形成論にでてくる暗い感情は、①不信感②疑惑・恥辱③罪悪感④劣等感⑤自己混乱感⑥孤立感⑦停滞感⑧絶望感 である。個人的には様々な湧き起こる感情を分析する時に、この分類はとても役立つと思っている。自分の自己事例を振り返り勉強しすると理解が深まり、思わぬ真実を発見したりする。罪悪感は自由意志と関係が深く、また、それに基づく思考・行動の結果とも関係が深いように感じる。そして、その扱いは結構大変だ。

 日本では、罪悪感は怨霊思想とも結びつき、おぞましい話に展開することが多いが、そんな中にあって、庶民は明るい解釈の中で、しっかりと暗い感情をバネに生き抜いてきたようにも思う。

心の健康度 ⑦ 2/10

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