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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

四国お遍路の旅を想う!(魂で感じる � 8/10)

2014-12-07 | 第十章「今ここでの恩寵」

 多摩センター駅の近くの多摩美美術館で開催されている「祈りの道へ」(四国霊場開設1200年記念ー四国遍路と土佐のほとけ)展に先日行ってきた。

 縄文や新石器文化にこっている私なので縄文時代の四国が気になった。展示や図録でわかったが、やはり四国は今から7300年前の九州南部の鬼界カルデラの大爆発の影響で縄文の遺跡は殆どないとのこと。その爆発の威力は甚大で、縄文早期の素晴らしい九州の上野原遺跡等も壊滅し、その影響は広く西日本に及んだようだ。ある外国の論文では、その時縄文人が舟で逃げて南米に漂着し、縄文土器をもたらしたという説さえあるので、この爆発は世界にも影響を与えるものだったようだ。日本特有の自然災害は昔も今も独特だ。

 さて、そんな四国で弘法大師空海ゆかりの88寺を辿る四国遍路が始まる。やはり、江戸時代あたりから盛んになり(この時代は庶民が伊勢参りをしたり、日本でも信仰心が高まった時代だ)、特有の巡礼姿で同行二人でお参りをする姿が定着してきたようだ。巡礼者に接待をしたりされたりする感動してしまう文化。最近では某元首相が四国遍路をされて注目を集めたりした。

 展示では、笹野大日堂 大日如来坐像。竹林寺の阿弥陀如来立像は素晴らしく息をのんだ。個人的には、阿弥陀如来立像の光背に羽のある天使のような像があったのがとても印象的だった。さらに、明治の廃仏毀釈の影響も大きいのだろうか、痛んだ仏像も沢山展示してあった。私は小学校のころアラスカで古いトーテムポールを観て不思議な感情をもった記憶があるが、雨ざらしになったトーテムポールが朽ちて行く姿の中に不思議にも霊性といったらよいかがしっかり宿る残るように感じたのだ。幽玄の美といったらよいか、そんなものを感じてしまった。

 遍路文化の展示も印象的だった。江戸時代の実際の納経帳(ご朱印帳)や、障害をもった方がお遍路する際につかった、箱車まで展示されているのは感動であった。ハンディーを背負った人に対する暖かさは素晴らしい。

 お遍路は何故ポピュラーになってきたのだろうか。四国遍路の起源を調べてみると、空海や高弟が起源とするほか、松山の豪商が自らの非を悟って遍路を行った。というのもあった。どうも起源ははっきりしないようだが、心理学的に考えると、暗い感情を明るくする何か、それがお遍路をポピュラーにしたのではないかと思うのだった。

 信仰の領域に入ってしまうが、例えば、罪悪感という感情がある。私も小学生のころ罵詈雑言を浴びせた祖母が、しばらくして癌で亡くなったことがあり、今はだいぶ消えたが罪悪感が消えないで残っている。それは、通常は消えないものだが、信仰の世界は不可能を可能にしてくれる何かがあるように思う(私はカトリック信徒だが)。日本には縄文時代から流れる信仰心の大きい国だったと思う。今やグローバル化等の大きな波の中で、心はより疲弊する時代になったと思う。そんな中、四国遍路に想いをとめて、何かを見直す必要があるようだ。

  http://www.tamabi.ac.jp/museum/

魂で感じる � 7/10

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