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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

縄文文化は日本人のこころに何を残しているのだろう?(縄文からの風 ② 4/10)

2015-01-24 | 第二章「五感と体感」

 縄文時代に熱くなってきたのは、昨年(2014年)の8月からである。それまでも、いろいろ本などは読んでいたが、8月に長野県霧ヶ峰の近くの黒曜石ニュージアムに行き、さらに、近くの採掘祉が沢山ある星糞峠に登ったことが大きかった。

 人が変わるのは、五感と体感での経験が大きいと、私は密かに考えているのだが、人のいない山奥に熊よけの鈴を鳴らしながら踏み込んでいくとブルーシートに覆われたクレータ状の採掘址があったり、採掘時に原石を加工(最終製品ではない)にできた割り屑の細かい黒曜石の破片も沢山あり、それに触れたりすると、何か震えるような感動が走ったものだ。

 星糞峠は、その名も不思議で、かなり昔の黒曜石を表す方言という説も面白い。因みに月糞は巻貝(月の軌道が渦巻に見えるためだろうか)をさすという説もある。古代の人の感性の一端を感じてしまう。

 この星糞峠や、鷹山遺跡群周辺は調査結果によると、30000年前の旧石器時代から約2000年前の弥生時代くらいまで使われた黒曜石採掘遺跡が中心だ。これは、私たちの現世人類が日本に住みついた大半の期間を意味している。狩猟には鉄より適しているとも言われる黒曜石。その地位は何万年も続いたようだ。高地なので、周りに住居はなく、縄文の人たちが目的をもって採掘のためにキャンプをしたのだろう。そして、それが全国に流通する。

 そして、有名な話だがこの時期の大半(旧石器、縄文)は、人を殺傷するような武器は作らず、集団的な戦争はなかったようだ。弥生時代以降は戦争が横行するが(それでも、日本は平城京などを見てわかるように、外国のように城壁に覆われていない不思議な都だった)。記紀は外国の影響が大きい、近代的(当時にあっては)な思想に満ちているが、例えば『和をもって尊しとなす』という思想の源流は何だったのだろうう。縄文文化の香りがするのだ。

 U先生から、日本人の心の特徴をいくつか教えていただいた。「汚れと禊」「恥の文化」「甘えの構造」「侘びと寂」「幽玄の美」「もののあわれ」。この中で、精神科医の土居建郎先生が書かれて、一世を風靡した「『甘え』の構造」などは、長く続いた縄文の村社会を想定してみると、とても良くわかる。現代のこころの健康を考えるときに、今は欧米化の時代だが、日本人の甘えの構造はどのような問題と関係があるのだろうか。

 以前のサラリーマン生活では、私も仕事の後は先輩に飲みにつれられて、どっぷり「甘えの構造」に生きてきた。それは、ひょっとしたら数万年の歴史があるかもしれない。

縄文からの風② 4/10

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