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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

今日はまじめにメメントモリを (古代史の錯乱からの統合 2/10)

2017-06-27 | 第十章「今ここでの恩寵」

 来月の新宿勉強会の準備もあり、この2-3日大津皇子と持統天皇を中心にいろいろ妄想していた。大津皇子、草壁皇子、そして持統天皇のことを考えるだけでなく、万葉集の歌などをいろいろ比較して、その心中をいろいろ考えた。また、大津皇子の死後に残された歌や大津皇子に関わる遺物を味わってみた。

 草壁皇子の歌は、今の世の中では恋だけでなく大津皇子に歌にも負けたように評されることが多いようだが、私は母、持統天皇他にしっかり愛された素敵な皇子だったように思う。そして彼の歌の中に恩寵とも言える何かを感じる。通説によると、大名児は大津皇子に行ってしまったかもしれないが、実際はどうだろうか。

 そして、折口信夫氏の「死者の書」にも象徴的にでてくる、大津皇子の死を賜る際の歌を想う。鴨の泣き声は山辺皇女だったか、あるいは小説に出て来る不比等の姉の耳面刀自か。

 ももづたふ磐余(いわれ)の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ

 この歌や、次の大津皇子の姉で伊勢の斎宮であった大来皇女の次の歌は余りに有名だ。

 うつそみの人なる我(われ)や明日よりは 二上山(ふたかみやま)を弟(いろせ)と我(あ)が見む

 死の前に訪れると思われる錯乱。それを乗り越えての自我統合。あるいは、愛する弟を失った錯乱の後に訪れる二上山の美。こうした歌は、あれこれ邪推する歌というより清い魂を感じる歌と言えそうだ。

 そして、これは被害者の歌であるが、加害者であったと思われる持統天皇はどうだったのだろう。すでに夫・天武天皇を亡くしたあとで、愛する草壁皇子を亡くし政局も不安定になる。錯乱が女帝を襲うのは想像し難くない。女帝と関係の深い薬師寺に大津皇子にゆかりのあるお堂等があるのも頷ける。恐らく、後悔し祈ったのだろう。そして、女帝は日本で初めて天皇として火葬される。

 死の直前に何かある。メメントモリは大事だと思う。

古代史の錯乱からの統合 1/10

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