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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

カオスからの心の回復。個人にとって社会にとって(生き抜く力② 4/10)

2019-03-15 | 第七章「光と復活体」

 先日、遠足で一日楽しんだ気功・太極拳サークルのことだが、結成時期はちょうど3.11の大混乱のころ(2011年3月11日)であった。そして、ちょうど8年目の3.11の日に遠足を行ったのは、とても意味があるのではと思い、このブログに取り上げてみることにした。

 多くの災害は8年経てば、何となく復興するようである。しかし、今回の3.11はそうではないようだ。先日のテレビのニュースの中には「道なかば」という宗教家の発言があり、そうなんだと私も頷いたものだ。

 厳しい現実の中で痛手を被り回復に努めようとするとき、私たちは何をするのだろうか。昨日から「温故知新」という言葉について妄想している。以前、あったように回復するということは誰でも思い付く。そして、機械的に行うこともあろう。しかし、それができない、新しい現実というものがある。放射能の問題というのは確実に世代を超えるような問題なのだろう。この3.11は、社会的な厳しい現実であるが、考えて見れば個々人の生育史でも同じような現象に思い当たらないだろうか。

 私の場合の青春時代の自己混乱感。特に学園紛争の時代で拍車がかかったように思う。その中で、母がカトリックの信徒で幼児洗礼を受けたことがあり、カトリックに救いを求めようとしたこともあった。しかし、世の中の大きな流れは深い影をおとし、単純にはいかなかった。とはいえ、青年期特有の自己混乱感を収めて全うに生きることができたのは、広島の父の故郷のお蔭かなと思う。温故知新という言葉は、温めるというところが鍵である。祖父母とか家族・親族の愛が鍵で、自分の成人になるためのアイデンティティが形成されたのだと思う。

 さて、先日訪れた清澄庭園は、もともと紀伊国屋文左衛門の屋敷だったと言われている。海運業者として歴史の教科書にも載っている人物だ。そんな屋敷を西南戦争で巨利を得た岩崎弥太郎さんが、自分も海運業と深いつながりがあったこともあったのだろう、その屋敷、今の清澄公園の敷地を購入した。岩崎弥太郎さんは海運が一つのアイデンティティであり、それを核にビジネスが進展させていったようだ。そして、写真の涼亭はイギリス海軍の元帥を招待するために新たに作られ、しかも幸運が重なり空襲にあっても残っている遺産だ。その涼亭が岩崎弥太郎さんのビジネスにどれだけ貢献したのかは分からないが、水の気に満ちた涼亭は、それを利用する私たちにも爽やかな健康感を与えてくれたのは確かだ。

  

 岩崎弥太郎さんとは違う単なる庶民の私も、古希に近づきながら人生を振り返ると、中年の自己混乱の時期にカトリックに回帰してきたことを感動を持って思い出す。人には何らかの納得できる信条が必要であり、それが人を安定させ人生に意味を持たせるのだが、そうした信条や信仰をいただくにも、温かい何かが必要だった。

 岩崎弥太郎さんの人生、そして自分が回帰してきた人生を思い出しつつ、3.11の問題を思い巡らすと、ふと縄文時代のことが浮かんだ。

 縄文時代は10,000年以上続いた文化である。当然ながら、3.11のような大災害・大事件はあったと思う。そして最大級の事件は、約6,500年前に南九州で起こった喜界カルデラの火山災害だと思う。縄文早期の南九州に起きた災害は極めて甚大で、南九州が壊滅しただけでなく西日本全体に打撃を与えてしまった。それまでの氷河期から間氷期に移行する過程で、日本列島の中でその最大の恩恵を受け、文化的に最も成長してきた西日本が、九州を中心に壊滅し、まだ文化の萌芽期に過ぎなかった東日本だけが残ったようである。その南九州を中心にした文化は充分解明されていないようだが、東日本を中心にした文化も縄文中期から晩期をたどる、右下がりの混乱期に何らかのプラスの影響を与え続けてきたように思えてならない。

 東日本を中心とした縄文中期から晩期に至る文化の道筋は、壊滅した文化に回帰しているように思えてならない。昨日は二つの文化を資料で見比べて感動していた。

 ところで、個人と社会と重ねるのはちょっと乱暴とも思えるが、私がカトリックに回帰したのは40年くらいの月日が流れたが、縄文時代の回帰現象はどうも1,000年とか3,000年という年月が掛かったように見えてしまう。その大災害の傷は深いものだが、その復元は偽物ではなく、まともな温かい回帰であったのではないだろうか。そうした私たちの祖先の存在は、今の時代にも希望を与えてくれるように思う。

生き抜く力② 4/10

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