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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

隣の異文化が幸をもたらす・・縄文研究もそうだろうな (8/10 生き甲斐の心理学と縄文)

2022-11-21 | 第一章「意識と知覚」

学校を卒業してサラリーマンになった私は、しばらくして関西に赴任してコンピュータ(価格はそれなりに高いが高度な専門知識もいらないような機種)の営業をした。今思うとその時の経験は大いに役にたったように思う。

欧米で仕事をすると、オリエントの人は何を考えているか分からないというようなことを時々聞く。儒教文化の影響なのか風土の影響なのだろうかよく分からないが、特に仕事などで感情を外に表さないのが気持ちが悪いらしい。

確かにオフィシャルな場合はそうかもしれない。日本人の感情の表出についてはつまらないことなので、これからは変わって行く必要もあるかもしれない。

しかし、遺伝子の多様性はヨーロッパ内での多様性より勝るといわれる日本列島。ちょっと隣の文化圏が結構違ったり、仕事でも様々な業界(私は、運が良いのか官公庁、研究機関、教育、各種製造業、金融、医療、芸術家、個人から大企業・・・)の方と接すると(営業なので内輪のお付き合いが大事)、全然違う世界が広がっていることがわかる。表面は能面のようでも、一皮むけばなんとやらだ。それなのに同じ能面のような顔をするのがおかしくもある。

仕事を始めた頃の毎日は驚きの連続。その中でいろいろ学ばさせていただいた。意外と私の性分にあっていたらしく楽しい日々でもあった。しかし、そうした環境が長い目でみれば普遍的な価値を求めさせてくれたり、多様な文化への受容性を高めてくれたのだと今では感謝している。

さて、写真は井戸尻遺跡での写真。縄文人が好きそうなやまなみの景色。1988年ごろに書店で購入した「八ヶ岳縄文世界再現」という井戸尻考古館の小冊子が、多分遠因となって全く違う世界の一つである縄文に徐々に引き寄せられたのだと思う。また、比較宗教学や比較文化を大事にしている欧米の大学に縁のあったU先生を師として生き甲斐の心理学を学んだことも大きかったと思う。

心理学も日本人の特性について無関心ではいられない。①もののあはれ②穢れと禊ぎ③恥の文化④甘えの構造⑤侘び寂び⑥幽玄の美。こうした特性はかつては随分語られたが、今はどうやら大きく変化する時代の中で潜在化し目立たなくなり、語る人は皆無?となっている。しかし長い時間をかけて作られた特性は簡単には変わらない。さらにこうした特性の理解なしにこころの問題や政治を考えることは実に危険だと思う(話が大きすぎたか)。私は日本人のこころの原型探しに向かい縄文までたどりついてしまったが、それはそれなりに意味があることだったと思う。

この8年くらい考古学だけでなく、縄文に関係する学問も学んでいくと、若い頃に体験した異文化の喜び?を再び感じてくる。私も縁があって最近は土器の拓本の作り方、接合の仕方なども学んでいくと考古学の先輩方の大いなる知恵というか文化の奥行きを感じさせていただいている。ありがたいことだ。

あるいは、最近民俗学の吉野裕子さんに嵌まっている。残念ながら既になくなられているが、U先生のもとで「持統天皇」のケーススタディをしていたときに五行陰陽説で吉野裕子さんを知った。7世紀の世界を考えるときに五行陰陽説が非常に大事で、それで時代をより理解することができた。そのご縁もあったのだが、縄文でもお世話になっている。吉野裕子さんの思索は今から50年くらい前に縄文時代も射程に収めた民俗学を展開されていた。それは意外に学際的で宗教学や考古学の分野にまで及び、蛇を中心とした日本文化の理解は眼から鱗である。余りに先駆けての研究であったようで、当時は考古学や民族学の分野でも無視されたようだが、今吉野裕子さんの「蛇」、「山の神」、「日本人の死生観」の蛇三部作を読むと驚愕する。縄文に興味のある方は是非読まれたらと思う。卑弥呼は何故中国から鏡を輸入したか。日本の鏡、剣、勾玉は何故尊いか。石棒とは何か。・・・

8/10 生き甲斐の心理学と縄文

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「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」

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       森裕行

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