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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

吉野の聖と謀略を想う (こころの奈良 5/10)

2018-06-12 | 第二章「五感と体感」

 初日は奈良の北の奈良坂周辺などを楽しんだが、二日目は南の吉野川からスタートした。古道の芋峠を辿るコースも県道が狭いとのことで、今回も見合わせ国道169号線から吉野へ。吉野には何回か来ているが、開館日が合わずいつも通り過ぎていた宮滝遺跡のそばの吉野歴史資料館に寄った。各地に歴史資料館があるが、国立・県立の博物館と違い、市町村の資料館は一般に地味で見学者も少ない。しかし、なかなか味のあるところにあって、時には職員の方と楽しい談義ができたりで楽しい。今回も普段ではできない、黒曜石に匹敵するサヌカイトの原石に触れたり、縄文時代の宮滝式土器をしっかり拝見できたことはとても嬉しかった。

  

 吉野歴史資料館からは、宮滝遺跡(吉野宮跡など)が綺麗に見下ろせ、そして縄文的な聖地と思われる青根が峯までくっきり見え、熊野のことを想った。熊野古道にも是非行きたいものだ。

 女帝・持統天皇をはじめ斉明天皇・天武天皇・文武天皇・元明天皇・元正天皇・聖武天皇といった歴代の天皇や志貴皇子、あるいは役小角といった僧侶、日本語の文書表現に大きな影響を残した人麻呂など錚々たる面々が、今は鄙びている吉野を訪れたと思うと感慨ひとしおである。彼らも同じような美しい景色を楽しみ、日常の不安感を整理したのだろうか?

 7世紀の今の日本の原型ができた時。政治の世界は謀略・謀殺がはびこり、私の想いを寄せる持統天皇も大津皇子を始め、何人かの政敵を藤原不比等らと謀略で排除してきたようだ。浄御原宮や藤原京といった当時の都から離れ、縄文文化の入り口的な吉野宮で心を清め、そして時には謀議をしていたのかもしれない。人には皆、神が創った美しい魂があると私は思うが、生き抜くためといいながら何故悪に染まる傾向、時に悪を楽しむ傾向があるのは何故だろう。ただ、そういった特長のお陰で今の私があるという見方も否定できないことも確かだ。

 新幹線での悲惨な事件を先日耳にしたが、昨晩は名作といわれている園子音監督の映画「ヒミズ」をじっくり鑑賞した。3.11の悲惨を思い出させていただき、ドストエフスキーの「罪と罰」とどこかで通底するような名作であった。悪とは何か、普遍的な愛とは何かなど、考えさせられる。

 現代でも日本人の多くは宗教は信じなくても、魂の存在を信じている人は多い。私は、これは縄文時代からの長い伝統を背景としていると考えているが、7世紀には弥生文化の上に、やや魂を軽視する東アジアの儒教、仏教がかなり導入される。それは今の科学万能主義が席巻する時代に似ているのかもしれない。しかし、8世紀の行基や大仏の時代につながっていくように、今の時代も何かが変わっていくのかもしれない。希望はある。

 こころの奈良 5/10

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