20日から開かれていた決算特別委員会が、今日で終了しました。
私は平成28年度決算特別委員会の委員でしたが、連日、午前10時から、ほぼ午後3時から3時半くらいまでの審議と、審議が終われば翌日の準備に追われ、ブログを行進する余裕がなくて今日を迎えました。
今日は決算の採決が行われましたが、私は「不認定」とする立場から討論を以下の通り行いました。
採決の結果、委員10名中、委員長を除き、不認定が3名、認定が6名で、委員会としては「認定」の結果となりました。
私は、議案第33号・平成28年度いわき市一般会計歳入歳出決算を不認定とする立場から討論いたします。
不認定とする第1の理由は、第2款総務費、1項総務管理費、12目諸費に自衛官募集事務費が盛り込まれ、自衛隊に入隊する若者たちの激励会が開催されている問題です。
今回審議をされた平成28年度決算は、日本国憲法の個別的自衛権という枠組みを大きく逸脱し、憲法違反と、圧倒的に多くの憲法学者が指摘する安全保障関連法が実際に動き出した中での決算でした。
安全保障関連法は平成27年9月19日に強行採決で可決をされたのを受け、翌平成28年3月29日に施行、11月に、南スーダンの自衛隊宿営地に砲弾が落下するなど戦闘状態にあったことを「発砲事案」などと言い換えて隠した上、同法で実施が可能になった「駆け付け警護」及び他国軍と共同で拠点を守る「宿営地の共同防護」が付与された国連平和維持活動の陸上自衛隊の交代部隊が南スーダンに派遣されるという経過をたどりました。
この安保関連法は、これまで、海外に派遣された際に自衛隊員自らが攻撃された際に、身を守るための反撃しかできなかったものを、駆け付け警護のように武装して事実上の戦場に駆けつけたり、アメリカ軍艦艇の防護などを可能にしたもので、積極的に日本が戦争にかかわることに道を開いたものです。
集団的自衛権の行使は、歴代の自民党政府でも、現憲法下では否定したものであり、いわばクーデター的に解釈を変更し、事実上の改憲に道をつけたものとして、大きな問題があるものでした。
日本国憲法は、「恒久の平和を念願し、~平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し、~全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」という理想を高く掲げ、本市が採択している非核平和都市宣言は、この日本国憲法の恒久平和の理想を盛り込んでいます。安保関連法とは全く対立するものです。
私は、質疑の中で本市が行っている激励会で、どのような激励をしているかを質問しましたが、少なくとも、自衛隊員一人一人が自分を大切にして、現在の日本国憲法で厳密に規定される任務を、自分を大切に、良心の自由をもって遂行することを要請する内容で激励することこそ必要だと考えます。
答弁では式次第について説明されましたが、少なくとも前述のような内容を確認できない本決算には問題があるものと考えます。
この安保関連法が施行され、日米共同訓練である「ヤマザクラ73」に研修参加をするよう各自治体に案内が届いているという報道があります。この案内は、安保関連法下での日米共同演習の内容を浸透させるものとであり、案内そのものに重大な問題があるものと考えます。
本市は、自衛隊との関連では、軍事演習には出席しておらず、災害対応の訓練には時間と場所の関連で可能な範囲で参加するという対応をしているといい、その対応は至極まっとうなものであると考えます。
今後とも、安保関連法下での自衛隊の武力行使とは一線を画した対応を要望したいと思います。
第2の理由は、同じく第2款総務費、3項戸籍住民基本台帳費に地方公共団体情報システム機構への事務委任負担金が含まれるなど、個人番号・いわゆるマイナンバー制度に関する決算が各費目に含まれている問題です。
個人番号制度は、システムやマイキポータルを通じて個人情報が漏洩する懸念や、利用拡大策として検討されるマイキープラットホーム構想がその懸念を拡大する問題などを含んでおります。
この個人情報の漏洩は、ニューマンエラーとしても発生する懸念を指摘してきましたが、実際、個人情報保護のための国の監督機関である個人情報保護委員会が10月に発表した、今年度上半期の活動実績によると、前年同時期に66件だった個人番号の漏えいが4倍を超える273件に拡大しており、このうちの過半数に当たる152件は個人番号を記載した住民税の決定通知書のご送付等が原因だったとされています。1件当たりの漏えい人数は明らかにされておらず、どれだけの被害者がいるかは分かっておりません。
こうした個人情報の漏えいとその悪用の被害に住民を導きかねない個人番号制度には問題があり、ただちに廃止すべきですし、本市は個人番号制度を活用するべきではないと考えます。
また、本決算委員会の審議の中では、本市における個人番号カードの未交付数が本年3月末で5,969件に上り、うち200件程度が新規発行分ということではありますが、それでも多数の未交付カードが残されている実態が明らかになりました。
その未交付カードは、第1回目の個人番号通知の際に、個人番号カードの発行申請書と返信用封筒を同封したため、認識が薄いままにカード発行を申請した、すなわち必要ないカードの申請がされたために発生しているという背景があることが分かりました。
ここには、個人番号制度がどんな制度なのか、住民の中に不徹底なままスタートありきで個人番号制度を開始したという問題が含まれており、この面にも大きな問題があったと言わざるを得ません。
あらためて個人番号制度は本市の判断で活用の是非を判断できるものであり、本市としては活用をやめることを求めたいと思います。
3つ目の理由は、第10款教育費、5項社会教育費、2目公民館費に嘱託職員等の賃金が含まれ、ここで公民館の嘱託化を進めている問題です。
公民館の嘱託化は、平成26年に策定された公民館運営指針に基づき進められていますが、本委員会での質疑でも明らかになったように、その効果については指針に盛られた公民館の役割に対する嘱託化の効果が十分に検証されることがないままに、進んでいるという問題があります。
効果の検証としては、利用者等にアンケートを実施していますが、ここで得られる回答は、嘱託職員化にともなう公民館の人的配置の効果の一部分をはかるにすぎないものであり、まちづくりの支援等、中長期的にその効果の検証を図ることが必要なものについては、全く評価されないままに、ある意味スケジュールに従って嘱託化がすすめられるという問題があります。
6年8カ月前の震災後の市民への対応を考慮すれば、公民館は正規職員で担っていくことが妥当という市民的な見方も生じていることから、今後の公民館活動及び地域とのかかわりという観点から、嘱託化が妥当なのか、それとも正規職員が妥当なのかを検証していくことが必要なものと考えます。
従って決算を不認定として、嘱託館化の検証と是非を検討するよう求めるべきと考えます。
なお、討論の中で恐縮ですが、本決算委員会の第3款民生費の審議の中で、私は、子ども医療費給付費の質疑において「前年度より登録者数が減って、給付件数が減って、給付額が増えており」という趣旨の発言しましたが、数字の見誤りで、実際は、登録者数は減って、給付件数が増えていました。従って、給付額が増加することは当然でしたので、「給付額の推移をしっかり見ていただきたい」とした要望等、お詫びしながら関連部分を撤回させていただきたいと思います。
以上、討論してまいりましたが、みな様のご賛同を心からお願いして討論いたします。
私は平成28年度決算特別委員会の委員でしたが、連日、午前10時から、ほぼ午後3時から3時半くらいまでの審議と、審議が終われば翌日の準備に追われ、ブログを行進する余裕がなくて今日を迎えました。
今日は決算の採決が行われましたが、私は「不認定」とする立場から討論を以下の通り行いました。
採決の結果、委員10名中、委員長を除き、不認定が3名、認定が6名で、委員会としては「認定」の結果となりました。
決算委員会討論
私は、議案第33号・平成28年度いわき市一般会計歳入歳出決算を不認定とする立場から討論いたします。
不認定とする第1の理由は、第2款総務費、1項総務管理費、12目諸費に自衛官募集事務費が盛り込まれ、自衛隊に入隊する若者たちの激励会が開催されている問題です。
今回審議をされた平成28年度決算は、日本国憲法の個別的自衛権という枠組みを大きく逸脱し、憲法違反と、圧倒的に多くの憲法学者が指摘する安全保障関連法が実際に動き出した中での決算でした。
安全保障関連法は平成27年9月19日に強行採決で可決をされたのを受け、翌平成28年3月29日に施行、11月に、南スーダンの自衛隊宿営地に砲弾が落下するなど戦闘状態にあったことを「発砲事案」などと言い換えて隠した上、同法で実施が可能になった「駆け付け警護」及び他国軍と共同で拠点を守る「宿営地の共同防護」が付与された国連平和維持活動の陸上自衛隊の交代部隊が南スーダンに派遣されるという経過をたどりました。
この安保関連法は、これまで、海外に派遣された際に自衛隊員自らが攻撃された際に、身を守るための反撃しかできなかったものを、駆け付け警護のように武装して事実上の戦場に駆けつけたり、アメリカ軍艦艇の防護などを可能にしたもので、積極的に日本が戦争にかかわることに道を開いたものです。
集団的自衛権の行使は、歴代の自民党政府でも、現憲法下では否定したものであり、いわばクーデター的に解釈を変更し、事実上の改憲に道をつけたものとして、大きな問題があるものでした。
日本国憲法は、「恒久の平和を念願し、~平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し、~全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」という理想を高く掲げ、本市が採択している非核平和都市宣言は、この日本国憲法の恒久平和の理想を盛り込んでいます。安保関連法とは全く対立するものです。
私は、質疑の中で本市が行っている激励会で、どのような激励をしているかを質問しましたが、少なくとも、自衛隊員一人一人が自分を大切にして、現在の日本国憲法で厳密に規定される任務を、自分を大切に、良心の自由をもって遂行することを要請する内容で激励することこそ必要だと考えます。
答弁では式次第について説明されましたが、少なくとも前述のような内容を確認できない本決算には問題があるものと考えます。
この安保関連法が施行され、日米共同訓練である「ヤマザクラ73」に研修参加をするよう各自治体に案内が届いているという報道があります。この案内は、安保関連法下での日米共同演習の内容を浸透させるものとであり、案内そのものに重大な問題があるものと考えます。
本市は、自衛隊との関連では、軍事演習には出席しておらず、災害対応の訓練には時間と場所の関連で可能な範囲で参加するという対応をしているといい、その対応は至極まっとうなものであると考えます。
今後とも、安保関連法下での自衛隊の武力行使とは一線を画した対応を要望したいと思います。
第2の理由は、同じく第2款総務費、3項戸籍住民基本台帳費に地方公共団体情報システム機構への事務委任負担金が含まれるなど、個人番号・いわゆるマイナンバー制度に関する決算が各費目に含まれている問題です。
個人番号制度は、システムやマイキポータルを通じて個人情報が漏洩する懸念や、利用拡大策として検討されるマイキープラットホーム構想がその懸念を拡大する問題などを含んでおります。
この個人情報の漏洩は、ニューマンエラーとしても発生する懸念を指摘してきましたが、実際、個人情報保護のための国の監督機関である個人情報保護委員会が10月に発表した、今年度上半期の活動実績によると、前年同時期に66件だった個人番号の漏えいが4倍を超える273件に拡大しており、このうちの過半数に当たる152件は個人番号を記載した住民税の決定通知書のご送付等が原因だったとされています。1件当たりの漏えい人数は明らかにされておらず、どれだけの被害者がいるかは分かっておりません。
こうした個人情報の漏えいとその悪用の被害に住民を導きかねない個人番号制度には問題があり、ただちに廃止すべきですし、本市は個人番号制度を活用するべきではないと考えます。
また、本決算委員会の審議の中では、本市における個人番号カードの未交付数が本年3月末で5,969件に上り、うち200件程度が新規発行分ということではありますが、それでも多数の未交付カードが残されている実態が明らかになりました。
その未交付カードは、第1回目の個人番号通知の際に、個人番号カードの発行申請書と返信用封筒を同封したため、認識が薄いままにカード発行を申請した、すなわち必要ないカードの申請がされたために発生しているという背景があることが分かりました。
ここには、個人番号制度がどんな制度なのか、住民の中に不徹底なままスタートありきで個人番号制度を開始したという問題が含まれており、この面にも大きな問題があったと言わざるを得ません。
あらためて個人番号制度は本市の判断で活用の是非を判断できるものであり、本市としては活用をやめることを求めたいと思います。
3つ目の理由は、第10款教育費、5項社会教育費、2目公民館費に嘱託職員等の賃金が含まれ、ここで公民館の嘱託化を進めている問題です。
公民館の嘱託化は、平成26年に策定された公民館運営指針に基づき進められていますが、本委員会での質疑でも明らかになったように、その効果については指針に盛られた公民館の役割に対する嘱託化の効果が十分に検証されることがないままに、進んでいるという問題があります。
効果の検証としては、利用者等にアンケートを実施していますが、ここで得られる回答は、嘱託職員化にともなう公民館の人的配置の効果の一部分をはかるにすぎないものであり、まちづくりの支援等、中長期的にその効果の検証を図ることが必要なものについては、全く評価されないままに、ある意味スケジュールに従って嘱託化がすすめられるという問題があります。
6年8カ月前の震災後の市民への対応を考慮すれば、公民館は正規職員で担っていくことが妥当という市民的な見方も生じていることから、今後の公民館活動及び地域とのかかわりという観点から、嘱託化が妥当なのか、それとも正規職員が妥当なのかを検証していくことが必要なものと考えます。
従って決算を不認定として、嘱託館化の検証と是非を検討するよう求めるべきと考えます。
なお、討論の中で恐縮ですが、本決算委員会の第3款民生費の審議の中で、私は、子ども医療費給付費の質疑において「前年度より登録者数が減って、給付件数が減って、給付額が増えており」という趣旨の発言しましたが、数字の見誤りで、実際は、登録者数は減って、給付件数が増えていました。従って、給付額が増加することは当然でしたので、「給付額の推移をしっかり見ていただきたい」とした要望等、お詫びしながら関連部分を撤回させていただきたいと思います。
以上、討論してまいりましたが、みな様のご賛同を心からお願いして討論いたします。
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