伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

発達障害のピアニストからの手紙

2017年08月31日 | 読書
 7月28日、テレビをつけたらたまたま放送していた金スマで、発達障がいのピアニストを取り上げていました。その時のツイートがこれ。



 障がいのために周りと歩調を合わせるのが難しく、これまで共演は避けていたようですが、思い切ってチャレンジしてみたのだとか。俄然、どんなピアノを弾くのか興味がわいて、ネットで検索をかけてみたら、CDブックを販売していることが分かりました。

 そこで早速、ネット販売で「発達障害のピアニストからの手紙ーどうしてまわりとうまくいかないの?」と「心がホッとするCDブック」の2冊を取り寄せてみました。



 車のカーナビゲーションでCDを聞きながら走りました。確かに良い。

 そしてブック「手紙」の方は、腰痛でかかったお医者さんの待合室で読んでいました。ピアニストは野田あすかさん。解離性障害の症状があったものの原因が分からず、22歳で初めて広汎性発達障害が原因だと分かり、その間、障がいからくる症状に苦しんできたことが紹介されていました。

 待合室で読んだのは大失敗でした。
 あすかさんは、いまでは30歳を過ぎている。調べてみると1982年生まれですから、35歳・・かな。4歳でピアノをはじめ、お母さんの援助のもとで力をつけてきた。数々のコンクールで賞を獲得し、子どもたちにピアノを教える教室も開いているという。

 でも道は一筋ではない。解離性障害で自傷を繰り返した時期もあったようだ。



 解離性障害で自宅2階から飛び降りてしまい右足を粉砕骨折、車いすを使わざるを得ないほど不自由になってピアノのペダルを踏めなくなったけれど、左足で踏めるように工夫もしたともいう。

 ブックにはあすかさんに寄せる両親の愛情や、障がいに気づかずに育ててきた悔い、そして人と違う自分に気づき違和感を感じながら生き続けたあすかさんの思いがあふれていました。本に刻まれた思いに触れるたびに目頭が熱くなりました。もっと率直に言うと、涙も浮かんできました。でも、これを周りの人に気づかれたらやばい。だから、気づかれないようにしなければと思って、さりげなくハンカチで目頭をぬぐったり、鼻を抑えたりしました。

 中に「ふわふわ」という曲があります。



 取材しているテレビクルーのマイクにかぶされた風防用毛皮に感心が高まり、ふわふわした感じを即興で曲にしたもののようです。ピアノの確かな技術は、子どもの頃からの両親や指導者の援助が磨いたもののようですが、曲の感性は彼女ならではもののようで、とてもやさいしい響きです。

 ピアノを指導してくれる先生は、彼女の紡ぎだす音を、彼女ならではの音として認め、型にはまった解釈から発する音ではなく、彼女の個性を伸ばす音で曲を表現することに徹したようです。それが彼女を引き上げ力になってきた。

 あすかさんが、今後どんな活動をすすめるのか。ネットの検索には今年11月の東京でのコンサートが表示された。自分の活動する世界を広げているようだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿