◎アリストテレスの宇宙論「天について」を読んで 4
★アリストテレスの宇宙論「天について」
●第3巻 月下の世界
○第1章
・月下の世界の元素と生成消滅についての諸説
・月下の4元素は2組に分けられる
重くて下方へ向かうもの…水と土
軽くて上方へ向かうもの…火と空気
「まず、生成はあるのかそれともないのか、というまさにこのことを考察すべきであろう」
○第2章
「すべての単純な物体には、自然にしたがった何らかの運動がなければならない」
「もし、諸元素が自然にしたがって動いていたのだとすると、すでに秩序ある宇宙が存在していたのでなければならない」
○第3章
・元素の定義
「物体の元素とは、それにまで他の物体たちが分解されるもので、物体たちのうちに可能的にあるいは現実的に内在しているものであるが、しかし、それ自身、種的には別のものへ分割されえないものであるとしよう」
○第4章
・元素は無数ではない
「原理の数はできるだけ少ない方がよい」
「諸物体はそれらに固有の差異でもって相互に異なり、またそれらの差異は限られているとするならば、明らかに元素の数も有限でなければならない」
○第5章
・元素は複数あること
○第6章
・元素は生成し、消滅するものであること
「元素は永遠的なものではありえない。なぜなら、火も水も、またそれぞれの単純な物体も分解するのをわれわれは見ているからである」
・元素の生成は相互からの生成であること
「元素は非物体的なものから生じることも、元素以外の物体から生じることもできないので、残るのはお互いから生じ合うことである」
○第7章
・元素の相互からの生成
○第8章
・元素に形を与えることに対する批判
「元素の形はきまったものではないのである」
「元素たちを区別している諸性質が元素たちから分離されることによって、元素たちは相互に転化可能なのである」
「元素は形によって異なるのではない」
●第4巻 月下の世界(つづき)
○第1章
・絶対的な重さと軽さ、相対的な重さと軽さ
「あるものは常に中心から離れる本性をもっており、また、あるものは常に中心へ向かう本性をもっている。これらのうち、中心から離れるものを上へ動くと言い、中心へ向かうものを下へ動くと私は言う」
「われわれは宇宙の最外部を上と言う」
「上へ、つまり宇宙の最外部の方へ向かって動くものを絶対的に軽いと言い、下へ、つまり中心へ向かって動くものを絶対的に重いと言う」
「しかし、重さをもち、大きさ(体積)の等しい2つの物体のうち、一方が他方よりも自然的に速く下へ向かって動く場合、われわれは後者を相対的に軽い、つまり、より軽いと言う」
○第2章
・重さと軽さについて、先人の諸説の検討
○第3章
・アリストテレスの説
「運動には3種あるが、大きさにおける運動と形相における運動(質的変化をさす)、および場所的運動である」
「それぞれのものが自らの場所へ動いて行くということは、自らの形相へ向かって動くことである」
○第4章
・重いものと軽いものの相違
○第5章
・4つの元素の質料はどのように区別されるか
「あるものは軽さに適した質料をもつから軽く、常に上へ動くが、あるものはそれと反対の質料をもつから重く、常に下へ動く」
「空気と水はそれぞれ軽さと重さをもち、水は土以外のすべての下に沈み、空気は火以外のすべての上に浮く。しかし、すべてのものの上に浮くものが1つあり、またすべてのものの下に沈むものが1つあるので、あるものに対してはその下に沈み、あるものに対してはその上に浮くものが他に2つなければならない。したがって、質料もまた、それらの物体と同じ数だけ、つまり4つなければならない」
○第6章
・物体の運動における形の役割
「物体の形は、上あるいは下へ絶対的に動いて行くということの原因ではなくて、速く、あるいはゆっくり動くということの原因である」
●まとめ
アリストテレスは、自然的世界を2つの部分「月より上の世界(天界)」と「月下の世界」に分けた
「天界」は不生不滅の第5元素アイテール(エーテル)から成っている
「月下の世界」は生成消滅する4元素(土、水、火、空気)から成っている
宇宙は有限であり、ただ1つで、不生不滅の永遠的な存在である
天界は円運動する複数の天球から成っている
宇宙は球形であり、均一な速度で円運動する
星は球形で、自身は動かず、天球に付着して運ばれている
大地は球形で、宇宙の中心に静止している
★アリストテレスの宇宙論「天について」
●第3巻 月下の世界
○第1章
・月下の世界の元素と生成消滅についての諸説
・月下の4元素は2組に分けられる
重くて下方へ向かうもの…水と土
軽くて上方へ向かうもの…火と空気
「まず、生成はあるのかそれともないのか、というまさにこのことを考察すべきであろう」
○第2章
「すべての単純な物体には、自然にしたがった何らかの運動がなければならない」
「もし、諸元素が自然にしたがって動いていたのだとすると、すでに秩序ある宇宙が存在していたのでなければならない」
○第3章
・元素の定義
「物体の元素とは、それにまで他の物体たちが分解されるもので、物体たちのうちに可能的にあるいは現実的に内在しているものであるが、しかし、それ自身、種的には別のものへ分割されえないものであるとしよう」
○第4章
・元素は無数ではない
「原理の数はできるだけ少ない方がよい」
「諸物体はそれらに固有の差異でもって相互に異なり、またそれらの差異は限られているとするならば、明らかに元素の数も有限でなければならない」
○第5章
・元素は複数あること
○第6章
・元素は生成し、消滅するものであること
「元素は永遠的なものではありえない。なぜなら、火も水も、またそれぞれの単純な物体も分解するのをわれわれは見ているからである」
・元素の生成は相互からの生成であること
「元素は非物体的なものから生じることも、元素以外の物体から生じることもできないので、残るのはお互いから生じ合うことである」
○第7章
・元素の相互からの生成
○第8章
・元素に形を与えることに対する批判
「元素の形はきまったものではないのである」
「元素たちを区別している諸性質が元素たちから分離されることによって、元素たちは相互に転化可能なのである」
「元素は形によって異なるのではない」
●第4巻 月下の世界(つづき)
○第1章
・絶対的な重さと軽さ、相対的な重さと軽さ
「あるものは常に中心から離れる本性をもっており、また、あるものは常に中心へ向かう本性をもっている。これらのうち、中心から離れるものを上へ動くと言い、中心へ向かうものを下へ動くと私は言う」
「われわれは宇宙の最外部を上と言う」
「上へ、つまり宇宙の最外部の方へ向かって動くものを絶対的に軽いと言い、下へ、つまり中心へ向かって動くものを絶対的に重いと言う」
「しかし、重さをもち、大きさ(体積)の等しい2つの物体のうち、一方が他方よりも自然的に速く下へ向かって動く場合、われわれは後者を相対的に軽い、つまり、より軽いと言う」
○第2章
・重さと軽さについて、先人の諸説の検討
○第3章
・アリストテレスの説
「運動には3種あるが、大きさにおける運動と形相における運動(質的変化をさす)、および場所的運動である」
「それぞれのものが自らの場所へ動いて行くということは、自らの形相へ向かって動くことである」
○第4章
・重いものと軽いものの相違
○第5章
・4つの元素の質料はどのように区別されるか
「あるものは軽さに適した質料をもつから軽く、常に上へ動くが、あるものはそれと反対の質料をもつから重く、常に下へ動く」
「空気と水はそれぞれ軽さと重さをもち、水は土以外のすべての下に沈み、空気は火以外のすべての上に浮く。しかし、すべてのものの上に浮くものが1つあり、またすべてのものの下に沈むものが1つあるので、あるものに対してはその下に沈み、あるものに対してはその上に浮くものが他に2つなければならない。したがって、質料もまた、それらの物体と同じ数だけ、つまり4つなければならない」
○第6章
・物体の運動における形の役割
「物体の形は、上あるいは下へ絶対的に動いて行くということの原因ではなくて、速く、あるいはゆっくり動くということの原因である」
●まとめ
アリストテレスは、自然的世界を2つの部分「月より上の世界(天界)」と「月下の世界」に分けた
「天界」は不生不滅の第5元素アイテール(エーテル)から成っている
「月下の世界」は生成消滅する4元素(土、水、火、空気)から成っている
宇宙は有限であり、ただ1つで、不生不滅の永遠的な存在である
天界は円運動する複数の天球から成っている
宇宙は球形であり、均一な速度で円運動する
星は球形で、自身は動かず、天球に付着して運ばれている
大地は球形で、宇宙の中心に静止している