◎イスラーム 25 アラビア科学 3
3 アラビア・ルネサンス(アッバース朝期 8世紀後半~9世紀)
●シリア・ヘレニズムを前提としてアラビア科学が成立した
バグダードを中心に翻訳活動(シリア語、ギリシア語からアラビア語へ)が本格化した
シリア文明圏からアラビア語訳されてアラビア文明圏へ
さらには、直接、ギリシア語学術文献がアラビア語訳される
○749年、アブー・アルアッバースはカリフに就任し、750年、正式にアッバース朝の初代カリフとして認定され、アッバース朝が成立した
●アッバース朝第2代カリフ マンスール(在位754-775年)の時代
・マンスールは首都バグダード(平安の都)を建設した(762年に建設がはじまり、766年に完成)
・マンスールは、首都建設のために、ペルシア人の占星術師アン・ナウバフトとユダヤ人の占星術師であり天文学者のマーシャラーフに必要な測量を行わせた
当時は占星術と天文学ははっきり区別されたものではなかった
占星術師は天体の運動についての知識が必要だった
・バグダードにジュンディー・シャープールから多くの科学者が招かれた
・マンスールはインドの天文学書「シンドヒンド(インドの「シッダーンタ」のアラビア語訳)」を天文学者のファザーリーにアラビア語に翻訳することを命じた
インドの天文学が入るとともに、インドの数学、インド数字が入った
インドの医学も入った
●アッバース朝第5代カリフ ハールーン・アッ・ラシード(在位786-809年)の時代
○ハールーン・アッ・ラシードは、バグダードにギリシア語文献を中心とする図書館「知恵の宝庫」を建設した
○ハールーン・アッ・ラシードは「千夜一夜物語」の主要な登場人物の1人である
○ハールーンのもとで、シリア語訳されていたギリシアの科学文献がアラビア語訳され、さらにギリシア語原典からのアラビア語訳もされるようになった
そのなかには、エウクレイデスの「原論」、プトレマイオスの「アルマゲスト」、プラトンの「ティマイオス」などが含まれていた
○ハールーンの時代には、イスラーム世界初の病院が建てられた
●アッバース朝第7代カリフ マアムーン(在位813-833年)の時代
★「知恵の館」
ハールーンの息子のマアムーンは、「知恵の宝庫」を拡充して「知恵の館」と改めた
「知恵の館」はギリシアの科学文献の収集・研究とそのアラビア語への翻訳を主たる目的とした
図書館と天文台を設けた
○マアムーンは、地球の直径を計算するために、緯度1度にあたる子午線の長さを測る調査旅行団を派遣した
○アル・フワーリズミー
・9世紀前半、マアムーンに仕えた、数学者・天文学者
アル・フワーリズミーの名からアルゴリズム(計算の手順)という言葉が生まれた
○イスラーム世界で作成された最も古い地図は、アル・フワーリズミーの「キターブ・スーラト・アル・アルド」(地球の形の書)に収められている地図とされるが、この地図はプトレマイオスの「地理学」をもとにしているといわれる
3 アラビア・ルネサンス(アッバース朝期 8世紀後半~9世紀)
●シリア・ヘレニズムを前提としてアラビア科学が成立した
バグダードを中心に翻訳活動(シリア語、ギリシア語からアラビア語へ)が本格化した
シリア文明圏からアラビア語訳されてアラビア文明圏へ
さらには、直接、ギリシア語学術文献がアラビア語訳される
○749年、アブー・アルアッバースはカリフに就任し、750年、正式にアッバース朝の初代カリフとして認定され、アッバース朝が成立した
●アッバース朝第2代カリフ マンスール(在位754-775年)の時代
・マンスールは首都バグダード(平安の都)を建設した(762年に建設がはじまり、766年に完成)
・マンスールは、首都建設のために、ペルシア人の占星術師アン・ナウバフトとユダヤ人の占星術師であり天文学者のマーシャラーフに必要な測量を行わせた
当時は占星術と天文学ははっきり区別されたものではなかった
占星術師は天体の運動についての知識が必要だった
・バグダードにジュンディー・シャープールから多くの科学者が招かれた
・マンスールはインドの天文学書「シンドヒンド(インドの「シッダーンタ」のアラビア語訳)」を天文学者のファザーリーにアラビア語に翻訳することを命じた
インドの天文学が入るとともに、インドの数学、インド数字が入った
インドの医学も入った
●アッバース朝第5代カリフ ハールーン・アッ・ラシード(在位786-809年)の時代
○ハールーン・アッ・ラシードは、バグダードにギリシア語文献を中心とする図書館「知恵の宝庫」を建設した
○ハールーン・アッ・ラシードは「千夜一夜物語」の主要な登場人物の1人である
○ハールーンのもとで、シリア語訳されていたギリシアの科学文献がアラビア語訳され、さらにギリシア語原典からのアラビア語訳もされるようになった
そのなかには、エウクレイデスの「原論」、プトレマイオスの「アルマゲスト」、プラトンの「ティマイオス」などが含まれていた
○ハールーンの時代には、イスラーム世界初の病院が建てられた
●アッバース朝第7代カリフ マアムーン(在位813-833年)の時代
★「知恵の館」
ハールーンの息子のマアムーンは、「知恵の宝庫」を拡充して「知恵の館」と改めた
「知恵の館」はギリシアの科学文献の収集・研究とそのアラビア語への翻訳を主たる目的とした
図書館と天文台を設けた
○マアムーンは、地球の直径を計算するために、緯度1度にあたる子午線の長さを測る調査旅行団を派遣した
○アル・フワーリズミー
・9世紀前半、マアムーンに仕えた、数学者・天文学者
アル・フワーリズミーの名からアルゴリズム(計算の手順)という言葉が生まれた
○イスラーム世界で作成された最も古い地図は、アル・フワーリズミーの「キターブ・スーラト・アル・アルド」(地球の形の書)に収められている地図とされるが、この地図はプトレマイオスの「地理学」をもとにしているといわれる