高橋お伝、花井お梅、安倍定は何れも名前を聞いたことが有り、エピソードも多少は読んだことが有るが、
どういう環境で生まれ育ち、どういう生涯を送ったのか知らなかった。著者は彼女たちの事件を扱った当
時の新聞、警察の供述調書、さらに歌舞伎や芝居の演目、面白おかしく書かれた読み物まで丹念に読み込
み、あらましを本書に詳細に綴っている。
勿論彼女たちのことを擁護することは出来ないが、余りにも四角四面化した現代に毒婦とか妖婦とも称さ
れた生き方を目の当たりにして、色々な人間が居る事を知っておいてもいいと思う。自分の色を出せば当
然、世間との軋轢が生じる。今では自らのキャラが設定され逸脱しないよう生活をし、決して仲間外れに
ならないよう気を付けながら生きている人が多いと聞く。
しかし人生は一度きりだ。自分らしく生きていかなければ後悔をするかもしれない。世間との関係性は大
事だが、距離感を図りながら自分の個性を出せれば、もっと自由に生きることが可能だ。十人十色、百人
百様、たくさん本を読むことで,そのヒントが掴めるかもしれない。
本書の主人公たちは(それぞれに不幸も抱えながら)精一杯生ききったように見える。著者の思いが強す
ぎるように思える箇所も多々あるが、読んで面白く、考えさせられる本です。
毒婦伝 朝倉喬司 平凡社
どういう環境で生まれ育ち、どういう生涯を送ったのか知らなかった。著者は彼女たちの事件を扱った当
時の新聞、警察の供述調書、さらに歌舞伎や芝居の演目、面白おかしく書かれた読み物まで丹念に読み込
み、あらましを本書に詳細に綴っている。
勿論彼女たちのことを擁護することは出来ないが、余りにも四角四面化した現代に毒婦とか妖婦とも称さ
れた生き方を目の当たりにして、色々な人間が居る事を知っておいてもいいと思う。自分の色を出せば当
然、世間との軋轢が生じる。今では自らのキャラが設定され逸脱しないよう生活をし、決して仲間外れに
ならないよう気を付けながら生きている人が多いと聞く。
しかし人生は一度きりだ。自分らしく生きていかなければ後悔をするかもしれない。世間との関係性は大
事だが、距離感を図りながら自分の個性を出せれば、もっと自由に生きることが可能だ。十人十色、百人
百様、たくさん本を読むことで,そのヒントが掴めるかもしれない。
本書の主人公たちは(それぞれに不幸も抱えながら)精一杯生ききったように見える。著者の思いが強す
ぎるように思える箇所も多々あるが、読んで面白く、考えさせられる本です。
毒婦伝 朝倉喬司 平凡社