#今月2日、米国ニューヨークにある病院(モンテフィオーレ・メディカルセンター)の看護師たちがデモを行った。彼らは「マスクのような保護装備が全く足りない。生命が脅かされている」と訴えた。同病院の医療スタッフはニューヨーク・タイムズ(NYT)とのインタビューで「重要な処置の時だけ『N95等級』(空気のうち微細粒子を95%カットするマスク)を使える。これさえも3日で一枚を使い回さなくてはならない」と話した。看護師たちは「毎日出勤するたびに場に引きずられて行くような気分」と訴えた。
#ノースカロライナ州にある中小企業パークデールは米国で数少ない綿紡織会社の一つだ。他の相当数の会社は収支勘定が合わないという理由で廃業したり生産施設を海外に移したりした。同社最高経営責任者(CEO)のAndy Warlick氏は先月、ホワイトハウスから「新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の検体を採取するための綿棒を生産することはできるか」という問い合わせ電話を受けた。Warlick氏は「綿棒は無理だが、生産ラインを調整すればマスク生産は可能だ」と答えた。Warlick氏はフィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで「N95等級のマスクは不可能で、一般用の3重マスクだけは生産できる状況」と打ち明けた。
世界最大のマスク製造会社は米国の3Mだ。同社の本社はミネソタ州メープルウッドにある。マスク製造世界2位は米国のハネウェルだ。ところが米国人はマスクが手に入らないと言って喚いている。3Mやハネウェルの商標を付けたマスクの大部分は中国など海外で生産されているからだ。
米国内では重さ15グラムのマスクも十分に生産することはできない。世界最大経済大国という修飾語で隠されていた米国製造業の素顔だ。米国で新型コロナの感染者数はすでに40万人を超えた。世界の新型コロナ感染者数150万人余りのうち約30%が米国人だ。米疾病対策センター(CDC)は初期に「患者や医療スタッフでない人のマスク使用を推奨しない」と話した。そうしているうちに新型コロナの拡散スピードに驚いて「マスク使用を推奨する」と立場を変えた。
米国では医療スタッフも個人用保護装備が不足していて新型コロナに感染する事例が続出している。マスク大乱をいち早く経験した中国・韓国でも、医療用品の品薄現象はこれほどひどくはなかった。
ワシントン・ポスト(WP)によると、3M米国工場で生産されるN95等級マスクは月間3500万枚だ。一日生産量でいうと100万枚余りになる。同紙は「米国内の医療用需要を合わせたとしても量が不足している」と伝えた。あわせて「3Mは自社の中国工場などで3カ月間1億6650万枚のマスクを輸入することに決めた」と紹介した。
反面、マスク輸出国だった韓国や中国は既存施設を拡充することで生産量を増やすことができた。両国は既存の衣類生産ラインをマスク生産に変える「瞬発力」を発揮することができる基盤も備えていた。食品医薬品安全処によると、8日基準で公的マスクの供給量は980万8000枚だった。韓国政府が公的マスクを供給し始めた2月27日(約240万枚)の4倍水準だ。公的マスクはそのほとんどが「KF94」(微細粒子を94%カットするマスク)マークを付けた国産だ。中国も国務院統計を見ると、2月末基準で一日生産量が1億1600万枚だった。1カ月間で10倍以上増えた。
米国はマスク生産に転換できるほどの生産基盤自体が不足した状態だ。米国内の医療用保護服や人工呼吸器のような医療装備も深刻な品薄現象が起きている。新型コロナの感染拡大で主要輸出国が自国需要を優先的に充当するための輸入制限に出ると、米国内の状況は悪化の一途をたどっている。
ロイター通信は「ゼネラル・エレクトリック(GE)ヘルスケア部門で人工呼吸器生産を増やす方針を固めた。自動車会社であるゼネラル・モーターズ(GM)とフォードも参加することにした」と報じた。CNBC放送も「GEヘルスケア部門とフォードが3カ月間で人工呼吸器5万台を生産することにした」と伝えた。実績悪化で大量減員危機に直面したこれら会社では事実上「人工呼吸器」を付けた様相となった。費用を削減するために「生産の外注化」を続けていた米国が向き合うことになった現実だ。
#ノースカロライナ州にある中小企業パークデールは米国で数少ない綿紡織会社の一つだ。他の相当数の会社は収支勘定が合わないという理由で廃業したり生産施設を海外に移したりした。同社最高経営責任者(CEO)のAndy Warlick氏は先月、ホワイトハウスから「新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の検体を採取するための綿棒を生産することはできるか」という問い合わせ電話を受けた。Warlick氏は「綿棒は無理だが、生産ラインを調整すればマスク生産は可能だ」と答えた。Warlick氏はフィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで「N95等級のマスクは不可能で、一般用の3重マスクだけは生産できる状況」と打ち明けた。
世界最大のマスク製造会社は米国の3Mだ。同社の本社はミネソタ州メープルウッドにある。マスク製造世界2位は米国のハネウェルだ。ところが米国人はマスクが手に入らないと言って喚いている。3Mやハネウェルの商標を付けたマスクの大部分は中国など海外で生産されているからだ。
米国内では重さ15グラムのマスクも十分に生産することはできない。世界最大経済大国という修飾語で隠されていた米国製造業の素顔だ。米国で新型コロナの感染者数はすでに40万人を超えた。世界の新型コロナ感染者数150万人余りのうち約30%が米国人だ。米疾病対策センター(CDC)は初期に「患者や医療スタッフでない人のマスク使用を推奨しない」と話した。そうしているうちに新型コロナの拡散スピードに驚いて「マスク使用を推奨する」と立場を変えた。
米国では医療スタッフも個人用保護装備が不足していて新型コロナに感染する事例が続出している。マスク大乱をいち早く経験した中国・韓国でも、医療用品の品薄現象はこれほどひどくはなかった。
ワシントン・ポスト(WP)によると、3M米国工場で生産されるN95等級マスクは月間3500万枚だ。一日生産量でいうと100万枚余りになる。同紙は「米国内の医療用需要を合わせたとしても量が不足している」と伝えた。あわせて「3Mは自社の中国工場などで3カ月間1億6650万枚のマスクを輸入することに決めた」と紹介した。
反面、マスク輸出国だった韓国や中国は既存施設を拡充することで生産量を増やすことができた。両国は既存の衣類生産ラインをマスク生産に変える「瞬発力」を発揮することができる基盤も備えていた。食品医薬品安全処によると、8日基準で公的マスクの供給量は980万8000枚だった。韓国政府が公的マスクを供給し始めた2月27日(約240万枚)の4倍水準だ。公的マスクはそのほとんどが「KF94」(微細粒子を94%カットするマスク)マークを付けた国産だ。中国も国務院統計を見ると、2月末基準で一日生産量が1億1600万枚だった。1カ月間で10倍以上増えた。
米国はマスク生産に転換できるほどの生産基盤自体が不足した状態だ。米国内の医療用保護服や人工呼吸器のような医療装備も深刻な品薄現象が起きている。新型コロナの感染拡大で主要輸出国が自国需要を優先的に充当するための輸入制限に出ると、米国内の状況は悪化の一途をたどっている。
ロイター通信は「ゼネラル・エレクトリック(GE)ヘルスケア部門で人工呼吸器生産を増やす方針を固めた。自動車会社であるゼネラル・モーターズ(GM)とフォードも参加することにした」と報じた。CNBC放送も「GEヘルスケア部門とフォードが3カ月間で人工呼吸器5万台を生産することにした」と伝えた。実績悪化で大量減員危機に直面したこれら会社では事実上「人工呼吸器」を付けた様相となった。費用を削減するために「生産の外注化」を続けていた米国が向き合うことになった現実だ。