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【#ハンギョレ】ベトナム戦争民間人虐殺被害者、韓国政府に対し初の国家賠償訴訟

2020-04-23 00:40:26 | 海外の反応
米国の報告書で確認された事件 
「韓国政府が責任認めるべき」

 ベトナム戦争での韓国軍による民間人虐殺の被害者が、初めて韓国政府を相手に国家賠償訴訟を起こした。民主社会のための弁護士会(民弁)の「ベトナム戦争民間人虐殺真相究明のためのTF」は21日、被害者のグエン・ティ・タンさん(60)に代わって「民間人虐殺に対して責任がある大韓民国政府は3千万ウォン(約262万円)を支給せよ」との損害賠償請求訴訟をソウル中央地裁に起こした。

 この日、民弁がソウル中央地裁前で開いた記者会見にテレビ通話で参加したグエン・ティ・タンさんは、「民間人虐殺を韓国政府が認めることだけが、被害者の苦痛を和らげることができる。私をはじめとする多くの被害者の名誉が回復されることを願う」と述べた。1968年2月、当時8歳だったグエン・ティ・タンさんは、ベトナム・クアンナム省ディエンバン市社ディエンアン坊フォンニィ村の自宅周辺で、韓国軍青龍部隊第1大隊第1中隊所属の兵士たちの撃った銃で左脇腹を打たれて重傷を負い、手術で命を取り留めて以来、今日まで後遺症に悩まされている。当時、家族5人が命を失い、14歳の兄は大怪我をした。グエンさんは2018年4月、民弁と韓ベ平和財団が行った「ベトナム戦争民間人虐殺真相究明のための市民平和法廷」に原告として参加してもいる。

 この法廷(裁判長:キム・ヨンラン元最高裁判事)は「大韓民国は賠償金を支払い、原告の尊厳と名誉が回復できるよう公式に謝罪せよ」との判決を下した。グエンさんは1年後に被害者102人とともに真相調査を要求する請願書を大統領府に提出してもいる。しかし「韓国軍の戦闘史料などでは、駐越韓国軍による『民間人虐殺』に関する内容は確認されていない」というのが韓国政府(国防部)の立場だ。

 しかしグエンさんが主張するフォンニィ村虐殺事件は米国の『駐越米軍監察報告書』に公式記録として残っている。当時の報告書には「第1中隊が捜索作戦を繰り広げた1968年2月12日、フォンニィ事件で74人が殺害され、17人が負傷し、計91人にのぼる死傷者が出た」と書かれている。ベトナム戦争当時、韓国軍による民間人虐殺は80カ所余りで発生し、9千人以上が犠牲になったと推定されている。

 今後の裁判で韓国政府とグエンさんは、民間人虐殺の当事者が実際に韓国軍だったのか、事実関係を争うものとみられる。韓国国民ではなくベトナム人が韓国政府を相手に国家賠償訴訟を起こせるのかも争点だ。国家賠償訴訟は国家の不法行為が発生した日から5年内に起こさなければならないが、1975年のベトナム戦争が終わって45年が経過しており、時効も争点になる可能性がある。

チョ・ユニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/941386.html


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