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【警告】南海トラフ巨大地震発生の切迫性が増してきたと考えます

2021-12-10 23:24:37 | 気象・地震
令和3年12月3日06時37分頃の山梨県東部・富士五湖の地震について(気象庁報道発表)
令和3年12月3日09時28分頃の紀伊水道の地震について(気象庁報道発表)
令和3年12月9日11時05分頃のトカラ列島近海の地震について(気象庁報道発表)

率直に言って、ここ最近の日本周辺での地震の多さは異常だと思う。東日本大震災の直前に匹敵するレベルだし、ここ数年来でも群を抜いている。12月3日からわずか1週間で震度5強が1回、震度5弱が2回。さらに、2ヶ月前までさかのぼると、首都圏を大混乱に陥れた10月7日深夜の地震も加わり、2ヶ月で震度5弱以上が4回というハイペースぶりだ。

令和3年10月7日22時41分頃の千葉県北西部の地震について(気象庁報道発表)

当ブログでは、以前は気象庁が会見を開くような震度5弱以上、または津波警報・注意報が発表されるような規模の地震については毎回必ずコメント記事を書いていた時期もあった。最近は以前ほどマメに書いていないが、それでも地震自体の分析は気象庁のプレス資料などを基に続けている。今回のように、気になるタイプの地震が続く場合には、気象庁から発表された震央の場所を、プレート境界地図の上にプロットする作業をしてみることもある。そうすることで、日本周辺の広域的な地殻変動に関して、何らかの傾向が見えることもあるからだ。

そして、今回も同様に、プレート境界地図の上に、上記各地震の震央の位置をプロットしてみたところ、恐るべき結果となった。これを戦慄と言わずして何と言うのか。



青い点は震央の位置、赤い矢印は逆断層型地震における圧力軸の方向、緑色の矢印は正断層型地震における張力軸の方向を表している。ここ最近の震度5弱以上を記録した地震はいずれもプレート境界に近い場所で起きているという共通点がある。12月3日の山梨県東部・富士五湖付近の地震に至っては、北米プレートとユーラシアプレートのほぼ境界上で起きている。

10月7日の首都圏地震は、圧力軸の方向が東西。12月3日に起きた2つの地震では、圧力軸の方向がいずれも北西~南東。そして、9日のトカラ列島の地震でも、張力軸の方向は北西~南東で、すべてプレートの移動方向と一致している。

そして、注目すべきは震源の深さだ。10月7日の東京都心の地震では75kmの深さだったが、次第に浅くなり、12月に入ってからの3回の地震はすべて18~20kmの深さで起きている。ちなみに、プレートの潜り込み地点(フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる場所)の深さは20km程度と言われており、ほぼ同じだということに注意する必要がある。

ここまで説明すれば、当ブログが何を主張したいかはおわかりだろう。向こう20~30年間の発生確率が70%と予測されている南海トラフ地震。当ブログはその発生時期を「早くても2020年代中盤」と見ていたが、この様子だともっと早くなりそうだということである。

あえて誤解を恐れず言えば、南海トラフ地震発生はかなり差し迫っているのではないか。トカラ列島での群発地震が今年4月にも発生したばかりなのに、わずか8ヶ月で再発し、震度5強、M6.0の揺れを記録した後も沈静化の兆しすら見せていないことを考えると、南海トラフ大地震は最悪の場合、今日明日にも起こる可能性があるし、最も楽観的な見通しでも向こう1年くらいのうちには発生するのではないかと思える。特にこの10月以降の状況はそれほどの異常さを示している。

当ブログ管理人は今日、南海トラフ大地震がここ数日のうちに発生してもいいように、車のガソリンを満タンにし、米、ガスボンベ、乾電池などの非常物資を買い増ししてきた。明日も、今日に引き続きミネラルウォーター、マスクの買い出し、また真冬の停電に備えてガスコンロ式ストーブの運転試験を行う予定である。

当ブログを読んでいるみなさんも、南海トラフ地震は差し迫っているものとして今のうちから備えをきちんとしてほしいと思っている。あさって12日には、避難を希望するトカラ列島・悪石島の島民のために村営フェリーが出ると聞いているが、私はできることなら全島民に避難してほしいと考えている。ここ1ヶ月くらいのうちに悪石島が巨大津波に洗われ、「あのときに避難しておけば……」と「遺族」が涙することにならないように願うからである。

私のこの警告が杞憂であることを願っている。

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【速報】東京23区で震度5強 余震・火災にご注意を!

2021-10-07 23:50:07 | 気象・地震
10月7日22時41分頃、首都圏で強い地震があり、東京23区内で震度5強の揺れを観測した。東京23区では、10年前の東日本大震災のときでさえ震度3~4の揺れしか観測していない。今回は首都圏のほとんどの地域で東日本大震災を上回る揺れを記録したものとみられ、首都圏に限れば被害は東日本大震災を上回るおそれがある。

なお、震源は千葉県北西部で、首都圏にきわめて近い場所だった。震源の場所から、北米プレート内部の地震で、震源深さは80km、地震の規模はM6.1。日本周辺では毎月1回程度は起きている規模の地震だが、内陸直下型であることで揺れが大きくなった。

現在まで、身体に感じる余震は観測されていないものの、1週間程度は同程度の余震のおそれがある。また、揺れが大きかったことから、東京都内の混乱は数日続く可能性があり、十分注意してほしい。また、新型コロナはピーク時に比べれば急速に新規感染者を減らしてきたものの、完全に収束したわけではない。避難所などが設けられ、避難する場合には、難しい場合もあるが、できる限り適度な距離も確保すべきだと考える。

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2月13日23時08分頃の福島県沖の地震について

2021-02-14 10:21:29 | 気象・地震
令和3年2月13日23時08分頃の福島県沖の地震について-「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第89報)-(気象庁報道発表)

衝撃的地震から一夜が明け、被害状況が次第に明らかになってきている。確認しておきたいのは、この地域での震度6強かつM7超えの地震は2011年4月8日に起きたもの(M7.4)以来、10年ぶりの規模であるという点だ。

気象庁報道発表を見ると、発震機構(地震のメカニズム)は西南西ー東北東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、方向まで含め、東日本大震災と同じである。地震の規模はM7.3で、1995年の阪神・淡路大震災とほぼ同じ。東日本大震災はM9.0である。マグニチュードが1大きくなると、地震の規模は約32倍になるので、今回の地震の持つエネルギーは、東日本大震災のほぼ1000分の1だったことになる。巨大津波が10年前は発生し、今回はしなかったのは、このエネルギーの差にあるとみてよいだろう。

気象庁は、今回の地震について、東日本大震災の余震との見解を示している。同じ震源域でもあるし、そうしておきたいという思惑のようなものも見えるが、当ブログはこの点に関してはやや見解を異にする。

今年1月、政府の地震調査研究推進本部(地震本部)が「長期評価による地震発生確率値の更新について」という資料を公表している。添付資料(PDF版)には日本周辺で発生の可能性がある海溝型地震、活断層型地震の発生予測が示されている。A4で34ページにも及ぶ膨大なものだが、この資料の32ページに注目すべき見解が示されている。大半の読者にとって探すのが面倒な資料だと思うので、当ブログが抜き出して示すと、以下の部分である。



M7.0~7.5クラスの「IIIランク」の地震について、宮城県沖では発生周期が「12.6~14.7年」、発生確率は10年以内に50%、30年以内に90%、50年以内では「90%以上」と示されている(赤囲み部分)。東北の太平洋沖は地震の巣であり、発生確実とされる地震の中にはこのような周期の短いものもある。東日本大震災からまもなく10年ということを考えると、発生周期が10年程度の短い地震の中から、そろそろ「次」が来てもおかしくない状況になっているのである。

気象庁の報道発表資料に戻ると、昨夜発生した地震の震央は、日本海溝(プレート境界)よりかなり西側になっていて、北米プレート内部で発生した地震と評価せざるを得ないようにも思える。海溝型地震とするには、震央が海溝から遠いようにも思われるからだ。だが、観測網の整っている直下型地震と異なり、観測網の脆弱な海底を震源とする地震では後日の調査・研究の進展の結果、震源の位置を含めて見直されることもある。後の調査・研究の結果、昨夜の地震が長期評価に示された「宮城県沖IIIランク地震に該当する」として、データが見直される可能性もあるのだ。

この意味で、当ブログは気象庁の昨夜の発表にある「東日本大震災の余震」との評価には直ちに同意できない。別の新しい地震の可能性もあるということは見ておかなければならないと思う。新たな別の地震の場合、昨夜の地震が前震で、この後に本震が来る、という可能性は捨てきれない。大きな揺れに見舞われた地域では、避難所や避難経路、非常持ち出し品、避難する場合は避難先でのコロナ対策も含め再確認をするなどして備えてほしい。

最後に、地震本部が地震の発生確率をどのような手法で予測しているのかについて、この際、少し述べておこう。簡単に言うと、震源域ごとに過去の地震を調査して、発生の周期性を割り出した上で、前回の地震発生から現在まで何年経過しているかによって今後の発生確率を予測するのである。

子どもの頃、縁日や祭りなどに出かけた際、露店で回転式のおみくじを回した経験は誰しも持っているだろう。白玉ならハズレ、赤玉が出たら当たりで景品がもらえる、というものだ。このおみくじで、例えば10個あたり赤玉が1個(白9、赤1)の割合で玉が入れられており、一度誰かが引いた玉はおみくじ機には戻さない、と仮定しよう。最初の段階では赤玉が出る確率は10%だが、5人引いた段階でいずれも白玉だった場合、その後くじを引く5人の間で赤玉が出る確率は20%に上昇する。8人まで引いても赤が出なかった場合、最後の2人の間では赤玉を引ける確率は50%まで上がる。地震本部の発生予測はこれと同じシンプルな考え方である。平均100年周期の地震が50年起きなかった場合、残り50年間で発生する確率はそれまでの2倍--という形で予測しているのである。それだけに、地震本部の発生予測は比較的よく当たっている。

地震本部がこうした予測確実な手法を用いているにもかかわらず、原発運転差し止めや福島原発事故の賠償を求めた訴訟で半分近い裁判所がそれを「信頼性がない」として採用しないのは謎である。おそらく、運転容認の結論があらかじめ決まっていて、地震本部の予測はその結論と矛盾するため採用できないのであろう。こうした非科学的な判決が続いているのは残念としかいいようがない。3.11からまもなく10年を迎える今、当ブログは、改めて原発は不要であり、全国全原発は廃炉にすべきと強く訴えたい。

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【管理人より】福島県沖震源、震度6弱の地震。とりあえずご注意を

2021-02-13 23:41:41 | 気象・地震
管理人よりお知らせです。

今夜11時過ぎ、福島県沖を震源とする震度6弱の地震が発生し、福島県の太平洋側のほとんどの地域で震度6強~6弱を記録しました。これだけの規模の地震は、2011年4月8日、東日本大震災の余震としてM7.4の地震が起きて以降では初めてだと思います。

気象庁は、この後、深夜1時過ぎに記者会見し、今回の地震の発震機構(地震のメカニズム)等について見解を示す予定です。当ブログでは、ここしばらくの間、地震の解説記事を書いていませんでしたが、今回の地震は影響が一定程度続きそうなこと、3.11から10年という節目が近づいていること等の理由から、明日、久しぶりに当ブログとしての見解を示すことにします。

これだけの規模の地震です。強い揺れのあった地域では、夜間、むやみに動き回ることはせず、夜が明けるのを待ってください。夜間に大きな余震が来る恐れがあるので、これから就寝される方は、倒れてくる恐れのある家具等のある部屋で寝るのは避け、できるだけ動いたり倒れたりするものがない場所を選んでお休みになることをお勧めします。

気象庁では、津波の心配はないものの「若干の海面変動」に半日程度気をつけるよう呼びかけています。気象庁では、20cmを超えない海面変動は津波と呼ばないルールになっていますが、海面変動の恐れがあることに変わりありません。20cm程度の海面変動でも、成人男性が踏ん張っていられないほどの水圧となる場合があり危険です。ふざけて海に入る等の行為は絶対にしないでください。

なお、当ブログでは、原子力施設での被害を想定し、今夜は久しぶりに線量計の電源を入れたまま一晩、モニタリングを行うことにします。当ブログがこのような措置を執るのは、2013年4月に北海道に転居してからは初めてです。今回の地震がそれほど大きな規模のものだということについて、ご理解いただくようお願いします。

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宏観異常現象と地震

2020-02-07 23:40:18 | 気象・地震
どうも最近、当ブログ管理人の精神状態は良くない。1月11日付の記事にも書いたが、仕事では完全に「詰んだ」状態にあることに加えて、何か大きな災害が近く起きそうな気がする。ただ、科学的根拠・エビデンスは何もなく、当ブログ管理人の「直感」のみに基づいた記事なので、信じるかどうかは読者にお任せする。

メンタルを病んだことのない、心身強健な方にはご理解いただけないかもしれないが、精神状態がおかしくなっているときは、普段当たり前に見えているものが見えなくなり、注意力が落ちたりする反面、普段見えないものが見えたり、普段は感じないものを感じ取れたりすることがある。精神を病んでいる人が「電波が来る」などという感覚を昔はまったく理解できなかったが、最近はそうかもしれないな、と思うときがある。2020年の新年を迎えて以降、表現しようのない「邪気」のようなものを感じるのだ。

最近、気になるのは動物の異常行動に関するニュースが続いていることだ。サルが独立?クーデター? 大分・高崎山の勢力図に「異変」(1/27、大分合同新聞)、暖冬で眠れず…毎日やせた蛇が家に(福井新聞)と続いて気になっていたが、ついに「リスザル12匹どこへ? 盗難の可能性 伊豆シャボテン動物公園」(静岡新聞)というニュースが飛び込んできた。伊豆シャボテン動物公園は盗難の可能性が高い、としているが、防犯カメラに不審人物が映っていないという報道もある中で、なぜ盗難とわかるのか。

大地震が近づくと、動物が異常行動を起こしたり、生活拠点をより安全な場所に移すため、突如として姿を消すことがある。宏観(こうかん)異常現象と呼ばれるもので、かつてはこうした異常行動の事例を集め、研究する大学もあった。当ブログ管理人は2007年4月から、東日本大震災を挟んで2013年3月まで福島に住んでいたが、東日本大震災直前の1年間くらいは、とにかく畳の隙間から次々とアリが部屋に侵入してくるので本当に困った経験がある。何度追い払っても、また同じところから行列を作って入ってくる。2011.3.11まで、そういう経験もしているので、宏観異常を単なる迷信だと攻撃するのは良くないと思っている。

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「センター試験=いつも雪」説を検証する

2020-01-19 11:16:34 | 気象・地震
昨日から今日にかけて、大学入試「センター試験」としては最後となる全国共通試験が実施されている。ただ、萩生田文科相の「身の丈」発言や、記述式試験導入をめぐる混乱などで、来年度から実施の入試改革は中止となった。今後の推移によっては今年が「最後でなくなる」可能性もあるかもしれない。今、準備をしている現役高2生は、政治に翻弄され本当に気の毒と思う。

さて、そのセンター試験だが、「とにかく雪が多い」というイメージを持っている人も多いだろう。その前後の週には好天なのに、なぜかセンター試験の週末「だけ」狙い打ちするように、特に首都圏が雪になることが多い。そんな印象を持っている方も多いと思う。それは本当なのか?

センター試験は雪の日が本当に多いか検証 今年は晴れる?という記事が検証していて、なかなか興味深い。

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 今週末(19日・20日)は、大学入試センター試験です。センター試験というと、なぜか東京でも雪が降りやすい印象を受ける方が多いようです。実際、この試験の日は、ふだん雪が降りにくい東京でも、雪の日が多くなっています。過去、2000年~2018年までの東京のセンター試験初日の天気を見てみると、19年間で雪の日(みぞれを含む)が4回ありました。雪の日の確率は19分の4で約21%。東京で平年1月に雪の降る日の確率は9%なので、2倍以上の確率です。
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なんと、首都圏に限ったデータだが、「センター試験=雪」説は一部、本当だったのだ! さすがに21%だから「いつも雪」とまで断定するのは間違っているが、それ以外の1月では雪の確率が9%であることを考えると、「センター試験の日は1月の他の日より2倍以上、雪の確率が高い」というのは正解である。

しかし、記事内容を精査すると、違う面も見えてくる。2000~2018年の19年間のうち、雪が圧倒的に多かったのは2000~2008年で、逆に2009年以降は一度も雪が観測されていない。「1月の他の日より2倍雪が降りやすい」といっても、実際は気候変動の影響はこんなところにも及ぶ。夏の異常な暑さ、冬の暖冬化など、温暖化の影響が指摘されるようになったのも2010年頃からで、多くの国民の皮膚感覚と一致している。今後、この「21%」という数字も、年数経過するごとにジワジワと低下していく予感がする。

ところで、当ブログ管理人は1989年に、センター試験となる前の最後の「共通一次試験」を受けた。この翌年からセンター試験に変わったから、浪人した同級生の中には共通一次とセンター試験の両方を受けるという「貴重な体験」をした人もいる(後年になって、ある浪人した同級生にそう言ったら「貴重じゃねぇよ」と叱られた)。試験は出身地の福岡の某大学で受験したが、暖かい九州にもかかわらず、雪が降った。積もるほどではなく試験は予定通り実施されたが、こんな過去の経験も「センター試験=雪」説を補強する材料になっているのかもしれない。試験日の移動を求める声もあるが、4月入学という日本の学制が変わらない限り難しそうだし、夏や秋に変えるならともかく、試験日を1~2週前後に移動させる程度では、今度はその日がまた雪になるだけだろう。

いずれにしても、センター試験の受験生には「雪」「寒さ」というもうひとつの厄介な敵がいる。「コンディション管理も試験科目のひとつ」だと私の時代は言われた。受験生のみなさんには、2日目が始まっており、もう遅きに失したが、ベストを尽くしてほしい。

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8月4日19時23分頃の福島県沖の地震について ー「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第83報)ー

2019-08-05 22:33:35 | 気象・地震
8月4日19時23分頃の福島県沖の地震について-「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第83報)-(気象庁報道発表)

東日本大震災の震源区域で久しぶりに大きな地震が発生した。東日本大震災に関連して第82報が出されたのは2017年10月7日だから、約1年10ヶ月ぶりになる。

報道発表を見る限り、過去の同種の地震と同じで目新しいものはないが、1年10ヶ月ぶりのプレスリリースのため忘れている人も多いだろう。今回の地震のメカニズムである発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、これは2011年3月11日の東日本大震災における「本震」とまったく同じである(当時のプレスリリース)。震源も本震よりやや西、北米プレート内部の地震だがプレート境界の比較的近く。本震に近い場所で、震源への力のかかり具合もほぼ同じ。本震とまったく同じメカニズムで発生した地震ということになる。本震は深さが約10kmに対し今回は45kmとやや深い場所だったことが異なっているが、長年、日本とその周辺地域での地震を見てきた者としては、率直に言って、かなり嫌な感じのする地震と言える。

7月28日に三重県沖で起きた地震も、震源が南海トラフ地震の震源域とされる場所に近く、嫌な感じがする地震だ。このところ、このようなプレート境界に近い場所での地震が続く。内陸部で何度か大きな地震を繰り返しながら、次第に震源がプレート境界に近づいていき、その後にプレート境界で大地震、というパターンになることが多い。今回の地震は東日本大震災での「揺れ残り地域」の地震と見られ、南海トラフとの関連は薄いと考えられるものの、もし、南海トラフ地震もこのストーリーに沿って進むなら、7月28日の地震はかなり嫌な感じがする。もちろん東日本大震災の震源区域の人も安心していいというわけにはいかない。どちらの地域の人も十分注意すべきだろう。

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6月18日22時22分頃の山形県沖の地震について

2019-06-20 22:07:15 | 気象・地震
6月18日22時22分頃の山形県沖の地震について(気象庁報道発表)

18日に新潟・山形県境付近で起きた地震について、遅くなったが若干、解説しておきたい。

北米プレートとユーラシアプレートの境界に近いが、今回の地震自体は北米プレート内部で起きている。この付近ではたびたび大地震が起きており驚きはない。大きな被害を出したものとしては2007年の新潟県中越地震が記憶に新しく、この地震からまだ12年しか経っていない中で再び地震が起きたことは意外だと思ったが、今回の地震を起こした断層は2007年とは別だから、プレート境界型地震のように周期で見るのは妥当ではない。その意味では当ブログの認識も甘かったことは事実であり不明を恥じねばならないと思う。

発震機構(地震のメカニズム)は西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型。北米プレートは太平洋プレート、ユーラシアプレートに東西から挟まれ押されており、東日本を乗せたプレートの境界付近ではこれまでもしばしば大地震が引き起こされた。ここ数日、地震学者がメディアで解説している日本海東縁部の「ひずみ集中帯」という用語に戸惑う人も多いと思うが、大きな地震が起きるとすぐに一般人の聞き慣れない新語を持ち出し、専門家ぶるのは地震学者の悪い癖だ。このような新しい、聞き慣れない用語を持ち出さなくても、従来の北米プレートとユーラシアプレートの境界で説明できる。



解せないのは気象庁報道発表の全16ページ中7ページ目「令和元年6月18日山形県沖の地震(周辺の過去の地震活動)」に2007年の中越地震が記載されていないことだ。あれだけの被害を出し、無名の存在だった旧山古志村(地震直前の2005年に長岡市に編入)の名前を一躍全国区にした地震だったにもかかわらずである。M7.0以上の地震だけを対象にしているのかと思ったら、資料上部にはM6.0以上、深さ60km以内と書いてある。この地震はM6.8で今回の地震より大きく、深さも60km。震央もこの地図内にぎりぎり入る場所だけに、当然対象になるはずだが、あえて入れなかったのには理由があるのか。福島第2原発の再稼働が絶望的で、唯一、再稼働の可能性が残る柏崎刈羽原発を抱える東京電力へ「忖度」しているのだとしたら、そのような忖度は百害あって一利なしだ。リンクを張った河北新報の記事中にある地図にはきちんと中越(沖)地震も掲載されており、気象庁の姿勢には疑問を呈したいと思う。

ユーラシアプレートは近年、活動が活発化しており、他のプレートとの境界周辺でこのところ地震が続いている。今回は北米プレートとの境界付近で起きたが、ユーラシアプレートがフィリピン海プレートとぶつかっている場所が南海トラフだ。今回、山形で起きたことは当然、同じプレートが原因だけに南海トラフ周辺でももちろん起きうる。南海トラフ地震の被害が想定される地域にとっては、被害を最小限に食い止めるための先行例になり得ると思う。同じことが起きると考え、沿岸地域を中心に備えをしてほしい。

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5/10の日向灘を震源とする地震について

2019-05-11 13:16:18 | 気象・地震
令和元年5月10日08時48分頃の日向灘の地震について(気象庁報道発表)

5月10日午前、日向灘を震源とする地震があった。実は、当ブログはこの海域での地震が近々、あるのではないかと3月頃から注目していた。過去の地震履歴を見ていただくと分かるが、2018年に17回、2017年に21回しか発生しなかった日向灘を震源とする地震が今年に入り急増。2019年3月だけで9回も起きていたからだ。

気象庁は南海トラフ地震との関連はないと言い、M6.8以上になると開催される「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」も今回の地震がM6.3だったことから開かないとするが、あまりに甘いという気がする。遠くない将来に南海トラフ巨大地震が発生した後になって「今から思えば、これも中長期的前兆現象のひとつだった」と言われる地震にこの地震がなることは確実だ。その意味で、「あわや初の南海トラフ臨時情報 「気持ちの悪い」日向灘の地震」(5/10THE PAGE記事)の中で気象庁職員が漏らした「もしかしたら…と考えさせられるケースで、その意味では少し気持ち悪い地震。改めて臨時情報が発表された時にあわてないようにしておく必要性を感じた」という言葉は偽らざる心境だろう。

もともと、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる日向灘は地震の巣といわれており、私が子どもの頃はもっと地震が多かった印象がある。それを裏付けるように、冒頭の気象庁の報道発表(5ページ目左下の図)では、この海域でのM7以上の地震は1941年、1968年、1984年とほぼ20年周期で起きているのに、これを最後に35年間1度も起きていない。今までがそもそも静かすぎたと考えるべきであり、そろそろ「次」を想定しておかなければならない時期に来ている。

この地震の後も余震と見られる地震が続いている。そのすべてがM4を超えており、地震のエネルギーに衰えが見られないのも気がかりだ。今朝もM4.9の地震があったが、震源の深さが40kmと若干、深い場所に移動する兆しが見られるのも気になるところだ。

南海トラフ地震の震源域に当たる場所で、このところM5~6程度の地震の起きるペースが速まっている。南海トラフ地震の発生は「かなり差し迫っている」と判断せざるを得ない状況になってきた。これから地震発生までにどのような準備ができるかが、発生後の生死や困難度を分けると思う。太平洋沿岸地域の人は真剣に準備をしてほしい。

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日本海側で深海魚「リュウグウノツカイ」の捕獲相次ぐ

2019-02-09 22:02:30 | 気象・地震
深海魚リュウグウノツカイ なぜ 捕獲相次ぐ?/富山(富山チューリップテレビ)

「幻の魚」日本海で次々=リュウグウノツカイ-専門家「地震とは無関係」(時事)

このところ、日本海各地で深海魚「リュウグウノツカイ」の捕獲例が相次いでいる。特に多いのは富山湾で、年明け以降すでに6匹が見つかった。この他、沖縄・読谷村沖で2匹、京都・舞鶴市沖、兵庫・豊岡市沖、石川・七尾市沖で各1匹が網に掛かり、2月以降も、新潟県の佐渡島沖と上越市で各1匹が漂着するなどした。合計すると13匹。こんなに多かったのは、2009~2010年度の冬に日本海側で32匹が見つかって以来だ。このときは、最も捕獲例の多かった富山湾に近い魚津市の魚津水族館によって「富山湾で確認されたリュウグウノツカイの記録」がまとめられている。

深海魚の多くは海面近くの浅い場所に上がってくると生きのびられることはほぼなく、リュウグウノツカイもほぼすべて死んでしまう。理由は簡単で、深海魚は強い水圧を受ける深海(水深200~1000m程度)での生活に最適化された平べったい体型をしているため、水圧の小さい浅い場所に上がってくると、身体が膨張し、破裂してしまうのである。

リュウグウノツカイは、その異様な姿ともあいまって、古くから「地震を呼ぶ魚」として沿岸では恐れられてきた。現在でもこの魚が揚がると地震の前兆として恐れる人も多い。とはいえ、例年、日本海では冬になると捕獲されており、ひと冬に1~2匹程度であれば通常の捕獲数の範囲として特段恐れるほどではない。

しかし、ひと冬に10匹を超える、あるいは数十匹単位で捕獲されるとなると話はまったく別である。2017年、東海大・織原義明氏らの研究グループが公表した「1928~2011年に日本で確認された深海魚出現報告」では、深海魚の出現と地震との間に関係はないと結論づけているが、2009~2010年度の冬に32匹ものリュウグウノツカイが揚がった後、2011年に東日本大震災が起きている。

「リュウグウノツカイが大量に揚がったのは日本海、東日本大震災は太平洋側。これじゃあ予知になんてならないよ」と大半の方は思われるだろう。実際、織原氏もリュウグウノツカイ捕獲地と大地震の震源地が一致しなかったことを「無関係」の根拠にしている。しかし、東日本大震災以前から動物の異常行動などいわゆる「宏観(こうかん)異常現象」に着目してきた当ブログの目で見れば、むしろリュウグウノツカイはその場所での地震ではなく、他の場所での地震を告げる深海魚と考えるべきだろう。つまりリュウグウノツカイが大量に揚がった場所では大地震は起きず、揚がっていない地域こそが要注意なのだ。

また、上記の織原氏らの報告をよく見ると、2009~2010年冬に揚がったリュウグウノツカイは32匹。この冬はまだたったの13匹と思われるかもしれないが、2009~2010年冬は3ヶ月間(2009年12~2010年2月)で32匹。今年は1月だけで11匹だから、2~3月もこのままのペースで推移した場合、2009~2010年冬に匹敵する数になる。東日本大震災直前に勝るとも劣らないほどの異常事態といえよう。

リュウグウノツカイの揚がった場所をもう一度、確認しておくと、日本海側の他、沖縄県読谷村沖。逆に揚がっていないのは太平洋側である。リュウグウノツカイは、揚がっている地域ではなく揚がっていない地域の地震を予言する魚だとすれば……??

どの地域が危険かはいうまでもないであろう。太平洋側各地では、南海トラフ地震の発生に備え、そろそろ非常持ち出し品や避難所、避難経路などについて確認しておいたほうがいいと思う。今のところ、2020年の東京五輪が開催できる可能性は、ほぼ五分五分と当ブログは考えている。

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