2.『請求もれ年金』が起きやすい人・考えられる人
(1)本稿の主旨
さて、本稿の本題に入りましょう。ただ、一言お断りしておきますが、なお、ここでは、①1970年代の保険料の特例納付記録がはっきり残っていない、②1997年の基礎年金番号の創設時に約百万人を見逃した、③コンピューターに入力していない厚生年金の記録が1430万件ある等々の社会保険庁サイドに責任のある「納付記録の不備」問題(日本経済新聞6月10日社説)については触れておりません。
本稿は、個々人の年金加入履歴を確認して請求もれ年金が無いようにするための一般的なノウハウの公開だということを、一言お断りしておきます。
(2)こんな人は要注意
さてさて、『請求もれ年金』に関して下記項目に該当する方は要注意です。ご自分が該当する場合は、重点的に調べる必要があります。
●請求もれ年金が起きやすい人
□ 転職を繰り返した人
一般的に、若いときは転職が多いものです。そこで転職の度に厚生年金被保険者証(現行の年金手帳とか基礎年金番号通知書に変わっている)が発行され、それが行方不明になっている人が大勢いらっしゃいます。これを見つけ出し番号を統合しなければなりません。厚生年金被保険者証をタンス預金していませんか。あるいは机の引き出しに眠っている年金の証しはありませんか。あるいは机の引き出しに眠っている年金の証しはありませんか?
□ 社名を忘れてしまった人
50代になって20年も30年も前の職歴を思い出すのは難しいことですが、この職歴は年金からすれば「宝の山」なのです。昔を思い出しながら年金のための履歴書(後掲)を書いてみましょう。
□ 姓名が変わった人
何らかの事情で、姓名が変わった人、特に男性の場合、要注意です。
□ 姓名を誤って読まれる人
名前を第三者に誤って読まれたり呼ばれたりする人は、要注意です。
□ 姓名のふりがなに濁点のある人
カズコとカヅコとか別記のある人も要注意です。
□ 生年月日がいくつもある人
戸籍謄本をとってみたら実は違っていたとか、親に言われてずうっと間違った生年月日を使っていたという人。
□ 年齢を若くして働いたことのある人
昔はアルバイトなどするとき、年齢制限があって偽りの生年月日で働くことがありました。そういうことがあったとすれば、その年齢で調べなければ年金加入記録は確認できません。別にこれを明らかにしたとしても、誰からも指弾されるものではありません。単に年金加入確認で使うだけです。
□ 離婚を繰り返した人
すべての姓で年金加入を確認しなければなりません。
□ 年上奥さんの人
加給年金とか振替加算が付いていない(付かない)場合が多いので、要注意です。
●請求もれ年金が考えられる人
□転職のある人
□同じ会社で、海外勤務とか営業所とか工場とかを移っている人
□制度間を移っている人(船員・農林・共済・炭鉱・教職・病院等)
□厚生年金基金に加入していた人
□基金解散、又は代行返上のある人
□会社が倒産・清算・閉鎖・合併・吸収・社名変更等した人
□パート・アルバイト・フリーターをしたたことのある人
□身内の会社で手伝い等していた人
□米軍基地で働いていた人
□自衛隊に行っていた人
□定時制高校に行っていた人
□季節工で働いていた人
□学生中に働いていた人
□1959年以前に農協で働いていた人
□戦時中、就労したことのある人
□遺族年金を請求していない人
□親が子供を国民年金に加入させていた人
□本土復帰前沖縄に住んでいた人、外国に住んでいた人、生活保護受けていた人等
□年上奥さんに振替加算が付いていない人
□夫の共済が20年以上で妻の国民年金に振替加算が付いていない人
□外国在住の長い人
□年金は無かったと自分で決め付けている人(勝手解釈のこれが多いのです)
3.『請求もれ年金』の見つけ方
(1)最大のポイントは?
『請求もれ年金』を無くす最大のポイントは、「年金加入記録確認を100%行うこと」です。ひとつの取りこぼしもないように。それは、厚生年金の全加入記録であり、他制度の全加入記録も含みます。
(2)「年金履歴書」の作成例
「年金加入期間確認」を成功させるためには、下記のような詳細な「年金履歴書」を事前に作成し、社会保険事務所等に持参して年金加入記録の確認を行います。
図表24 年金履歴書記入例
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