<船井幸雄.comより記事転載>
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8月2日債務上限引き上げ期限に仕組まれる米国の
「自作自演」
米議会は8月2日が期限とされる債務上限引き上げに向けた道筋を模索している。
6月26日、債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)はCNNの番組のインタビューで、法定債務上限14兆3000億ドル(約1150兆円)の引き上げに合意できず、単に「技術的な」理由から国債を償還できなければ、「われわれは予測不可能な領域に入ることになろう」と語った。同氏は「中期改革計画を踏まえ、結束してこの問題に取り組んでほしいというのが私のアドバイスだ」とした上で、「それができなければ問題を先送りすることになる。問題を直視しないと法的契約という点で壊滅的な状況を招きかねない」と語った。
(中略)
両氏(モハメド・エラリアン氏と、左派寄りのシンクタンク、経済政策研究センターの創設者でエコノミストのディーン・ベイカー氏)の予告には全く異論がない。ただ、期限である8月2日を日本の金融関係者誰もが知っている現状で、黙っていれば危機的状況に陥ることが米国人にも分かり切っているのに「座して・・・」のようなことを米国政府が選択するだろうか? 多分、ギリギリまで危機的状況を煽りながら、米国お得意の「自作自演」の何か仕掛けてくると考えるのは深読み過ぎるだろうか。
不気味にも世界的に衝撃を与え、ドル円の円高スタートの起点となった「ニクソン・ショック」から40年目が2011年8月15日と上限引き上げ期限の時期と重なる。また、11/05/30『1987年7月から届いた『米デフォルト警告する手紙』』のT-モデルコラムにおいて『17日にニューヨーク市内で講演したガイトナー財務長官は、「歴代長官で手本とするのは?」との質問を受け、1枚の手紙を取り出し読み上げた。「米政府がデフォルト(債務不履行)すれば市場は大混乱、金融機関は破たんして金利は急騰し、ドルの信認も失われて資金逃避が起きる。これは世界的な金融、経済の大惨事を招き、米国が200年にわたり築いた信頼は失墜する・・・」。1987年7月、当時のベーカー財務長官が、議会指導部にあてた手紙。』と指摘した。当時、このベーカー財務長官の手紙から3ヵ月後の87年10月こは『ブラックマンデー』が起きているが、ガイトナー財務長官がこの手紙を読み上げてから3ヵ月後はやはり8月。更に、今年は1945年のスケジュールで進んでいるとT-モデルコラムで何度も指摘したが、66年前の終戦日8月15日もこの8月(以下略)。
<転載終わり>
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塚澤健二さんは上記のレポートで、8月2日の米国債の発行限度額を引き上げる法案の最終日までに、アメリカが何か金融や経済の策略を仕掛けてくるのではないかと危惧しています。
反対に高島ヤス先生は、米国債のデフォルトを望んでいるキリスト教原理主義者の集まりである「福音派」が、国債の引き上げに反対していると言われています。ですから、法案が通らないことを座して見ているという単純な話しではないようです。民主党や共和党の一部の議員が、法案を通したいと思っていても、福音派の支持で当選した議員が反対するので、国債の限度を上げる法案を通したくても通せないのが本当のところのようです。
ただ、アメリカのことですから、塚澤さんが言われるように何かの策略を仕込んでいるということは、充分考えられると思います。いずれにしても、あと1ヶ月くらいでアメリカの行方が判るようです。
また、ニクソン・ショックや終戦は8月に起きましたが、今年の8月も歴史に残る大きな出来事が起こる可能性が高くなって来ました。今までは、アメリカの経済は絶対大丈夫だと言い続けてきた日米のマスコミも、最近はアメリカはデフォルトするかもしれないというネガティブな記事が目立って来ました。このような記事が出始めたのも、3月9日以降のコルマン・インデックス第9サイクルに入ってからです。最終サイクルでは、まるで1日が1000日であるかのように時が高速に進んでいるように感じます。 政治も経済もそんな簡単に変わるわけない、と思っていますが、案外変わるのかも知れません。
・船井幸雄.com