朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。
保管せる放射能汚染の牧草を被爆の牛に食わすかなしみ
(南陽市)渋間悦子 (12/7 馬場あき子、佐佐木幸綱選)
帰還して被爆ひたすら生きてきた七十年よ夢じゃぁないよ
(相模原市)日野一閑子 (12/7 佐佐木幸綱選)
小名浜の魚売り場に小名浜の海の魚の戻らぬ五年
(いわき市)伊藤雅水 (12/13 永田和宏、馬場あき子、佐佐木幸綱選)
経済は政治の道具となり果てし原発動かし武器輸出する
(埼玉県)島村久夫 (12/13 佐佐木幸綱選)
黒々と積み上げられしフレコンバッグわれらの帰還をかたく拒みて
(国立市)半杭蛍子 (12/21 高野公彦選)
除染地に自動車(くるま)・猫車(ねこ)など赤錆て光なくして現場に終る
(須賀川市)布川澄夫 (1/4 佐佐木幸綱選)
焚火することを禁じて原発を再稼働するあわれニッポン
(東京都)東金吉一 (1/11 高野公彦選)
敷島のフクシマに国勢調査あり人口ゼロとされし町はも
(熊本市)垣野俊一郎 (1/18 馬場あき子選)
放射能を含みし草をあまた食(は)む浪江の牛に降る雨冷たし
(福島市)櫻井隆繁 (1/25 馬場あき子選)
ふる里の川の微かなセシウムの香を記憶して稚魚旅立つか
(郡山市)柴崎茂 (2/1 高野公彦選)
置き去りのままの被爆地柿落ちる
(いわき市)吉田めぐみ (12/21 金子兜太選)
原発の呻き声聞く虎落笛(もがりぶえ)
(鴻巣市)佐久間正城 (1/18 金子兜太選)
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