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●領域固有性、状況 行動型ロボット

2010-02-24 | 認知心理学
●領域固有性、状況 行動型ロボット
 見出しの3つの用語は、認知科学、認知心理学の成熟期1980年代のキーワードである。
 1970年代情報処理パラダイム全盛の中でも、人間の認知には、計算合理性ではとらえることのできない世界があることを示す研究が心理学者の側から散発的にではあるが、提出されるようになってきた。
 その一つは、思考の領域固有性である。論理的にはまったく同じ課題であっても、問題の表現を慣れ親しんだ日常的な場面に移すと正解できるようになる現象である。もっぱら、ウエイソンとジョンソンーレアード(Wason & Johnson-Laird 、1972)の4枚カード問題をめぐって一連の研究がおこなわれた。
 領域固有性は、その後、認知エキスパート研究においても広く検証されることになり、領域普遍な計算合理性を基本テーゼとしておこなわれてきた初期認知科学への強烈な一撃となった。
 1980年代になると、カーネマンとツバルスキー(Kahneman & Tversky1982)による社会的判断における固有のバイアス(ヒューリスティックス)の研究成果が公表されるようになると、この流れは勢いを増し、認知心理学の新たなパラダイムとして、状況的認知論を形成するまでになった。レイブとウエンガー( Lave &Wenger,1991)の認知エキスパートに関する仕事は、その集大成とも言えるものである。
 状況的認知論では、人間の認知を頭の外とのやりとりで捉え直す動きを作り出し、それは、必然的に、実験室的な認知から日常的な認知へと関心を向けさせることにもなった(たとえば、Neiser、 1982 )。
 人工知能も、こうした動きと呼応するかのごとく、ブルックス(B rooks、1986)が サブサンプション(包摂; subsumption)・アーキテクチャーと呼ばれる設計思想に基づいた行動型AIを開発した。センサーで駆動される複数のエージェント間の実行の優先順位に従って環境中を適応的に動き回る昆虫のようなロボットが開発されたのである。
 一方、1980年代中頃、もう一つの注目すべき動きが出てきた。それは、ラメルハートとマクレランド(Rumelhart and McClelland、1986)にはじまる並列分散処理(Parallel Distributed Proccessing)モデルである。さまざまな認知機能を脳の神経結合モデルとしてコンピュータ上で実現する、まったく新たな試みが爆発的に研究がおこなわれた


子ども手当ては3人目から

2010-02-24 | 心の体験的日記
生めよ増やせよの政策と財政との折り合いつけるには
なんとかせねばならない
女性の働きやすさを考えれば、
保育所整備だと思うが
これだと、票にはつながらないから
妥当なところが3人目以上ではないかなー

爪が割れる

2010-02-24 | 心の体験的日記
ちょっと爪がのびてくるとすぐに割れてしまう
寒くなるととくにひどい
こまめに爪を切るようにはしている
右手にはノック式のボールペンをもってキーをうっている
これだと指に負担がかからない
ただ、エラーが多くなる

「養護教諭にとってのコミュニケーション力」

2010-02-24 | わかりやすい表現
06/6/29海保博之
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20文字 120行(約5枚)2400文字
第1回「養護教諭にとってのコミュニケーション力」
●保健室で垣間見たこと
 ある小学校の保健室にお邪魔していた時のこと。2年生くらいの女の子がべそをかきながら部屋に入ってきた。話を中断して、先生、ゆっくりと子供の目線と同じになるまで腰を下ろし子供の肩に手を置いて、子供の話を聞きだした。
この原稿を書くに当たり、すぐにこの光景が頭に浮かんだ。ここには、コミュニケーション力を語る恰好の素材がいくつかあったからである。
 1つは、コミュニケーションのお膳立てである。子供と同じ目線まで腰を落としての対話に見られるように、相手を無条件に受け入れて話を聞くという姿勢をはっきりと相手に伝えるのに、これほど素晴らしいお膳立てはない。
2つは、語り方である。ゆったりと、子供が語り出すのを待つ。涙を拭くためのティッシュを渡し、子供から語りかけてくるのを待つ。「どうしたの?」「どこか痛いの?」と聞きたい気持ちを押さえての「待ちの対話」の姿勢は見事であった。

●コミュニケーションとは思いと気持ちの共有
コミュニケーションの本質は、自分と相手とがその場での思い(情報)と気持ちを共有することである。
そのための手段やお膳立ては、実にさまざまであるが、ねらいは、それにつきる。
「思いと気持ちの共有」。
たった3語だけからなるコミュニケーションねらいであるが、これを十全に実現するのは、それほど簡単ではない。だからこそ、たとえば、最近の企業が新入社員に要請する能力のトップに、これが挙げられるであろう。
養護教諭となれば、その仕事の範囲、多様さを考えると、それぞれの場でのコミュニケーションのこのねらいを達成するには、外から想像する以上の難しさがあると思う。それを克服する一助に本連載が役立てばと思う。

●コミュニケーションの5つの基本的な特徴
コミュニケーションを考えるための一枚の絵を作ってみた。この絵と、前述の保健室の先生と子供のコミュニケーションを例にとって、コミュニケーションの基本的な特徴を5つほど挙げておく。

******絵が入る


1)コミュニケーションは、情報の相互のやりとりである
絵にもあるように、情報の伝え手と受け手とがたえず入れ替わる。保健室に入ってきた時は、子供が情報の伝え手、先生が受け手であった。しかし、やがて、子供の思いや気持ちがわかりかけてきた時点で、先生が情報の伝え手、子供が受け手に変わる。普通の会話では、伝え手と受け手との交代頻度が著しく高くなる。
授業などでも、見かけは、先生からの一方的な情報の伝達のようであっても、受け手からのノンバーバルな情報は豊富に発信されている。それを見ない(見えない)教師は、子供とのコミュニケーションを断ってしまっていることになる。
2)コミュニケーションは単なる情報の伝達ではない
伝えたい情報は伝え手の外にも内にもある。「風邪がはやってきたのでうがいを忘れずに」(外)は誰が伝えても同じというのではまずい。そこにどれくらい強く子供を風邪から守りたい自分の気持ち(内)を込められるかが、単なる情報伝達になるか、真の効果的なコミュニケーションになるかの岐路になる。
3)コミュニケーション環境は多彩である
1対1,1対多、多対多のように、場合によっては異文化の人々が受け手といったように人的な形態も多彩である。使われるメディアも、文、絵、音声、ジェスチャーとある。表現手段も文書、プレゼン、メールと多彩である。保健室のような対面直接対話もあるし、電話などの遠隔間接対話もある。
これらの多彩なコミュニケーション環境をTPO(time,place,occasion)に応じて活用することが、コミュニケーション効果を上げることになる。保健室のような偶発性や緊急性にとんだ環境では、多彩なコミュニケーション環境への対応ができるようにしておく必要がある。
4)コミュニケーションには制約が多い
 研究は発表会のときなどのように、あらかじめ用意周到に準備ができる場合はさておくとして、その時その場で発生するコミュニケーションには、場の制約が大きい。保健室に泣きながら入ってきた子供に対してできるコミュニケーションの仕方には制約がある。その制約の中で最適なコミュニケーション手段を選択しなければならない。内容も時間の制約も考慮にいれなければならない。
5)コミュニケーションの結果成立する理解はさまざま
コミュニケーションのねらいは、思いや気持ちの共有ではあるが、最悪の場合は、どれほどコミュニケーションをおこなっても、完全にはそれが到達できないこともある。あるいは誤解もしばしば発生してしまう。
これは他者理解の限界と言ってもよい。「だからいくら言っても無駄」とあきらめるのではなく、そのことをしっかりと認識した上で、最大限の努力をすることになる。その努力のポイントの一つは、コミュニケーションの過程で、受け手の理解の程度や内容の確認を怠らないことである。前述の保健室での先生、「わかった?」「どう痛い?」としきりに尋ねていた。お互いの「わかったつもり」は困った事態を発生させてしまう。

****以下は、頁調整用
● 連載のテーマ
 予定では、10回の連載になる。コミュニケーション力を、大きく「わかる力」と「伝える力」とに分けて、それぞれの4回ずつ、最後の1回はまとめをするつもりである。