●ヒューマン・エラー
(human error)
人は必ずエラーを犯す。エラーは人であることの証であるかのようである。機械・システムの設計は、このことを前提にしないと事故が発生してしまう。
事故につながるような行為は意識化させたり、やりにくくさせたりするフール・プルーフ(fool-proof)、仮にエラー(故障)をしても、すぐには事故につながらないようにするフェイル・セーフ(fail-safe)、被害が発生してもそれが拡大しないようにする多層防といった、暗然工学上の工夫が必要である。
なお、ヒューマン・エラーには、大きく二つのタイプがある。ひとつはミステイク(mistake;思い込みエラー)である。勘違い、誤解などのように誤った状況認識による者エラーである。
もうひとつはスリップ(slip;うっかりミス)である。やるべきことをしなかったり、余計なことをしてしまったり、やる順序を間違えたりといったエラーである。もっぱら注意管理がうまくなされないことによって起こるエラーで、人のおかすエラーの大部分を占める。