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認知的技能 用語解説

2007-04-10 | 認知心理学
学生による用語解説

認知的技能(cognitive skills)

 2桁同士のかけ算をするということは、どの桁から計算を行い、繰上りをどうするかなど、一定のルールに基づいて一連の手続きを実行することです。このような認知的な手続きを実行する能力のことを認知的技能と呼びます。何らかの認知的技能を学習する場合には、手続きを理解して憶えるだけでなく、実際に手続きについての知識を用いることにより、徐々に誤りなく早くできるようになっていきます。このような学習についてアンダーソン(Anderson,1982,1983)は次のような3つの段階を考えています。

 第一の段階は、宣言的段階です。通常,技能の学習の出発点において、学習者はその手続きを知りません。そこで、手続きを実行できるだけの知識が学習者に与えられ、学習のこの段階にある技能は、命題的な知識を1ステップずつ解釈しながら実行されます。

 第二の段階は知識の翻訳の段階です。この段階では前の段階で得られた知識が実際に使われることによって解釈なしで直接使えるような使いやすい形に翻訳されます。

 ひとたび知識が手続き的な形に翻訳され技能が自動化された後も、通常その技能は使われつづけることによって徐々に正確さを増し効率的に実行できるようになっていきます。この段階が手続き的段階です。手続き的段階は技能が一通り学習された後、長期にわたって続く場合が多いです。(SC)

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認知的技能とは手続き的記憶の下階層に存在している、頭の中でする暗算のような認知的処理を行う能力のことを言います。この技能の学習には、3つの特徴があります。これはどの技能においてもそうなのですが、

?その技能がその社会、文化の中で学習するに値するものであるということ。

 したがってその習熟度は違っても誰でもが、それなりに身につけているものでもあるということになります。

?長期間の反復練習が必須ということ。

 どれくらいの期間、どれくらいの反復練習をしたかが、その技能の習熟度を規定することになります。

?熟達レベルに到達すると、技能の透明化、すなわち、技能が意識から消えて、技能の結果のみが見えるということ。

 そこには、技能の熟達が有する、状況への即応という適応的な機能があります。ただしそれによって創造性を失うことにもなります。

この認知的技能は一種の長期記憶であるためいったん技能を獲得した場合それを忘れることはほとんどなく、長期にわたって繰り返すたびに習熟していくと考えられています。(YM)

  

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