◆認知発達(cognitive development)
認知機能は誕生の瞬間から、生得的に組み込まれた機構を使って、活動を開始する。光りに眼球は反応するし、動く物体を追視することもできる。生後2カ月くらいで、すでに意味のある絵のほうをよく見る傾向を示す。環境から膨大な情報を取り込んで、知識として長期記憶に貯蔵していく。これが初期学習である。しかし、なんらかの理由で、しかるべき時期に、生得的な機構を開発する環境刺激が与えられないと、後の認知発達に障害が起こる。この時期を臨界期と呼ぶ。言語習得の臨界期は2歳くらいまでとされている。
一定量の知識が貯蔵されると、その知識を最大限に活用して、さらに学習が進む。J・ピアジェは、この過程を同化と調節ということばでモデル化している。
同化とは、与えられた情報を貯蔵されている知識のなかに取り込むこと、調節とは、貯蔵されている知識の更新・変更によって情報を取り込むことである。
同化できる情報のときは「よくわかる」、調節を促す情報のときは「はてな」という主観的な体験をもたらす。同化と調節がほどよく行われているとき、知的に適応しているという。
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