この夏の節電対策で、サマータイム制などとともに話題となっているのが「在宅勤務」。
最近、多くの会社で採り入れ始めているようなニュースを目にします。
個人的には、人事の立場を抜きに、この在宅勤務については好意的にみています。(実際に導入できるかはともかく。笑)
なぜなら、基本的には職住が出来るだけ近いほうが、多様な働き方、あるいはワークライフバランスという言葉に代表されるような仕事だけではない生き方にとって望ましいから。つまり、今の東京で働くケースのように、家から会社まで往復3時間(←私もこんな感じ)とか、人によっては5時間とか、そんな多くの時間を電車で過ごす人生は、よっぽど電車内での趣味が充実していない限り、なかなか充実させることは難しいですよね。
そういう意味で、究極の職住密接ということで在宅勤務。これは、子どもがいたりとか、家族の介護が必要だとか、働き方に制約がある人にとっては特に理想的かも知れません。
この在宅勤務が、いよいよ古い体質を残した金融機関(すみません。失礼ですね!)にも波及してきているようですね。
(2011年6月4日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20110604-OYT8T00294.htm
損害保険ジャパンは、節電や震災時の危機管理対策として、7~8月の2か月間、本社勤務の社員の半数にあたる約1500人を対象に在宅勤務制度を導入する。
(中略)
東京・新宿の本社には約3000人が勤務している。そのうち、災害時の現地の営業所やコールセンターへの人員配置などを担う企画・管理部門を中心とした社員約1500人が対象になる。週に1~4日、部門内で交代で在宅勤務し、その翌日に出社して仕事の成果を上司に報告する。
言わずもがなですが、在宅勤務により「仕事の仕方」は大きく変わります。
今まで多くの会社は、時間という単位で量る「献身」により勤務認定してきたのが実情です。
これが今後、「在宅勤務」になるとそうは簡単ではありません。(当然、インフラを整備することで可能であるが。)
そうすると、今回の記事のように「仕事の成果」で勤務認定(仕事をしたかどうかを評価)することになるわけです。ある意味、当たり前のようにも感じますが、何をもって成果とするのか、昨日と今日の成果をどう区別するのか、など真剣に考えれば考えるほど、この難しさを感じることができると思います。
在宅勤務は一過性のものなのか?
在宅勤務として、一部根付くような会社もあるかもしれませんが、きっと多くの会社では一過性のもので終わるのではないでしょうか。
そして次は???
いよいよ裁量労働、定額制の労働契約・・・以前、話題になった「ホワイトカラーエグゼンプション」への布石であるようにも感じます。これは多くの大企業の悲願?本音?でもあったりしますので。
※ホワイトカラーエグゼンプションについては以前の私の記事を参照してください。
2007.1.21付「ホワイトカラーエグゼンプション」
http://blog.goo.ne.jp/hoddy/e/b47369193f2038ae8b6b58a8b22ede63
この未曾有の混乱の中で、在宅勤務という節電対策としての一面の裏では、実は「サラリーマンの時間と仕事の成果」が議論になっています。
以前にもありました。一過性のもので
すから電気が安定すれば止めますよ。
おっしゃるとおりです。
やっぱり歴史は繰り返すんですね~(笑)
節電症候群が一段落すれば、やっぱり何もなかったかのように、また元に戻ることになるんでしょうか。。。
それも進歩がない気もして残念なんですが(苦笑)。