ネットでも、テレビでも、新聞でもTPPの話題が続く。
TPP・・・もちろん、トッポのことではない。Trans-Pacific Partnership、環太平洋戦略的経済連携協定のこと。
TPP参加について、賛成か、反対か、そんな問いが多い気がするが、私もご多分に漏れず、よく分からない。参加することのメリット、デメリットが分からないということもあるが、以前からTPPの話題があったにもかかわらず、どうしてここに来て急激にこんな二択を迫れたのか?こういうことを考えると、安易な結論を出すことはますます良くないことのように感じるのだ。
ものづくりの日本、製造業の未来のためには、関税が撤廃されることのメリットからTPP参加が望ましいという意見がある。それでなくとも、空洞化(日本から海外への製造拠点の移転の流れ)が叫ばれる昨今、日本とアメリカ(あるいはTPP参加予定の各国)の関税が製造業の未来の壁とはとても思えない。逆に人件費の安いTPP参加予定へ製造拠点を移転することで、日本への供給もまかなえることになり、ますます空洞化が進むのではないかという疑問すら感じている。
一方で、TPP参加が日本の農業の未来を阻害するという意見がある。確かに海外から関税もなく、安い農産物が輸入されることは農家にとっては大問題だ。広大な農地で、大規模な農業を展開する国とは、小さな平野で小さな農地しか展開しようのない日本の農家は確かに安さでは勝負になりそうにない。けれども、高齢化が進む日本の農業はどこまで、このまま残っていけるのか。自給率を話題にできる今なら未だ日本の農業は議論になるが、後継者が育たず、やむなく外国の農産物に頼らざるを得なくなったときに、改めて仲間に入れていただくようなことが許されるのか、という疑問も感じる。
要は、日本の未来像、製造業がどうなって、農業がどうなっているのか・・・そういう議論が抜け落ちていないか。
今を前提とすれば、製造業にとって関税がかからず輸出できることは確かに大きな話だし、農業にとって関税がかからず輸入されることは大きな話であろう。でも、5年後も、10年後も同じなんだろうか。違うのであれば、そのビジョンにあった選択をする方が望ましいことは言うまでもないだろう。
そして、TPPは関税だけではなく、仕組みの問題でもあるわけで・・・
何がどう変わるのか?
もう少し大きな視野、そして長い目での議論が必要と感じる。
私が思うのは、日本の未来を支えるためにも、多くの外国人を日本国内で働いてもらうこと(結果的に内需が拡大され、所得税や社会保険料を払ってもらうこと)が大事ではないかということ。少子高齢化の高齢化は避けるすべがないが、少子化は日本だけで考えないことで光明は見えるはず。
そんな日本の未来、ビジョンも含め、ゆっくり話し合おうじゃないですか。
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