正義とは何?、悪とは何なのか?
昨日はマイケル・サンデル教授の来日講義、東大での白熱授業を観ていました。
軽く見てから、「蒼穹の昴」へつなごうと思っていたんですが、
ついつい最後まで・・・すばらしい。
こういう感覚で思考できたら、こういう感覚で周囲の人の話を引き出せたら、
と感じながら、自分なりにサンデル先生の質問への答えを考えていました。
安易な答えがないこと、誰も答えを与えてくれないこと、
そして、自分の考えが必ずしも答えにならないこと、
それなりに学校で勉強してきたボクらにとっては、結構、苦痛なことだと思いました。
そう思うと、安易な答えにすがること、妄信は楽ですよね。
あえて、難しい答えを求めること、ややこしい思考をすることが正しいことだとも思いませんが、せっかくの人生、自分はじっくりといきたいな、なんて。
そして、その前はNHKスペシャル「堕ちた特捜検察 ~エリート検事 逮捕の激震~」。
「正義」のNHKリレーでしたね(笑)。
ジャーナリストの江川紹子さんが光ってました。
強引にまとめるとこんな感じの話だったと思います。
「昔はよかった」なんて幻想であって、今回の事件はたまたま杜撰だったから発覚したのであって、今までも同じような冤罪的な事件もあったはず。物証を捏造するのは珍しいかもしれないが、供述を捏造することは過去にもあったはず。
そして、そんな検察の発表をそのまま報じて、正義の検察だとPRしてきたマスコミの責任も大きい。
検察もマスコミも、ここは構造的な問題として、自分たちを見つめ直す必要がある。
って感じでしたよね?
一方で、元検事の熊崎勝彦さんは、ちょっときつかったですよね。
それでなくても、正義の味方であったはずの身内?の犯罪の話に、江川さんの的を射た発言によって完全アウェー状態。
多くの検事さんが、きっとそうだと思うんですが(そう信じたい!)、
基本は、初心は正義の味方なんですよね。
組織の論理が「正義」を傲慢にして、妄信させたんではないでしょうか。
なんとか主任検事の個人の問題として切り離さずに、そういう重大事件(事故)が表面化してきただけかも知れないという慎重さが大事ですよね。
ハインリッヒの法則(ヒヤリ・ハット)では、1件の重大労働災害事故のその裏側には29の軽微な事故と300の異常があるといいますし。
とにかく、この事件で思うのは、冤罪は許し難いということ、検察もマスコミも姿勢を改めてほしいということ。
そして、忘れがちなのは厚生労働省の闇も同様に深いということ。
元局長の無罪は確定したものの、元係長の不正自体は揺るぎ難いものなんでしょう。
検察の「正義」によって、この事件自体が「巨悪」化することとなってしまいました。
まずは政治家~キャリア・エリート官僚ラインとして(←結果的には冤罪)、
次に主任検察官とその上司のラインとして・・・
いつの間にか、同じ厚労省でも次は厚生方面で、眼科監査汚職なんて容疑も出てきています。なんだかな・・・
とにかく、何かがずれているはずなんですよね。多分。
しかも「巨悪」なんて仰々しいものではなく、ちょっとした悪なんでしょう。
もしかしたら、官僚としての正義感の延長線上かもしれません。
正義なんて考えると難しいですけど、でも、そういう意識は自分の思考の芯になるはずなんですよね。(それを外に出すと、単なる押し付けなんだと思うんですが・自己反省)
地道にいきましょうよ。
振り回していたとき山本夏彦さまのコラム
に接しました。(笑)
正義はふりまわしてはダメ・ダメと(笑)
なんともそうだと愚考し以来正義は避けて
います。(笑)
例えば会議などで正義をふりまわすと意見が
出なくなりますし、、、(笑)
ホント、おっしゃるとおりだと思います。
「正義」や「常識」は、誰もが共有できているようで、
実は誰も共有できていないことなんじゃないかと・・・
でも、誰でも使える魔法の言葉なんですよね~
議論を封じる魔法の言葉。
今日の産経新聞も相変わらず「巨悪」を連発していました。
「産経抄」 http://bit.ly/azSIoj もそうですし、
社説の主張も「小沢氏不起訴 おざなり処分も信を失う」・・・
“巨悪と闘う正義の味方”
そろそろこういうウルトラマン信仰はやめたほうが良いですよね~。ボクらも、いい歳なんですから(笑)。
許容範囲がある程度ある人じゃないと
しんどくなって来ることがあるんですが・・・・。
コメントありがとうございます。
ホント、マスコミなども「正義」の連発で、何が本当の正義なのか???
『裏を読め・・・』と意識しつつ、
幅広い視野と情報で、思考が一方的にならないようにすることが大事なんでしょうか。
はじめまして。(笑)
散歩なのか道草なのか??
ってのが もって生まれた癖のようです。
どうぞよろしく。
老いると子供に返る と申しますが
そろそろ私も Uタ~ンでしょうか。
”何も知らなかった頃のように!”
とは 行かないまでも 素直に見る目は
必要・・・ですよね。
>Uタ~ン
とても純粋な思考に返れるとは思えないボクですが・・・
“素直に見る目”くらいは、意識して、磨いていきたいんですよね~
色眼鏡がかなりどす黒くなってきた気もしている今日この頃です(笑)。