7月にDR650RSのフロント・ディスク・ローターが欠品だと知った。クラッチ・ワイヤーとデ・コンプ・ワイヤーもである。ローターは交換したほうがよいとバイク・ショップのメカの方に言われたので、どうにかして手にいれられないかとさぐっていると、海外のサイトに在庫があるのをみつけた。アメリカのアルファ・スポーツというサイトである。しかし部品は純正ではなく、OEMパーツと書いてある。ローターはオーダーで作ることもできるようだが、費用がかさむ。海外通販で買うほうがリーズナブルなので、はじめてだが利用してみることにした。部品はアルファ・スポーツのサイトにあるパーツリストを参照して、純正部品の番号で指定するようになっているので、手元にあるパーツ・リストと照らし合わせて注文することにした。
しかしすぐに発注したわけではない。下調べと準備には時間をかけた。最終的にフロント・ディスク・ローター1、クラッチ・ワイヤー2、デコンプ・ワイヤー2、を注文したが、リヤのディスク・ローターやヒューズ・ボックス、などが欠品であることを確認した(アルファ・スポーツで)。在庫品と欠品、ストックしている部品とこれから必要になりそうなもの、それと価格を考慮して、発注品をきめたのだ。そして金額が50000円くらいなので、部品がこなかったり、別のパーツがとどいたりして失敗しても、諦めがつくだろうと思うにいたった。なお、アメリカで日本のウェビックのような存在だという、信頼性のたかいBTOでもDRの部品の取り扱いがあったのだが、こちらはディスク・ローターが欠品だった。それで在庫のあったアルファ・スポーツに発注したのである。
それぞれの価格は、ディスク・ローター335、53ドル。デ・コンプ・ワイヤー25、33ドル×2 。クラッチ・ワイヤー30、72ドル×2。300ドルまでの保険6ドル。アジアへの送料USPS SLOW75、06ドル。合計が528、69ドル。
支払いはカードをつかえばよいと簡単に考えたが、海外サイトへの使用は、カード会社が気をきかせてブロックすることがあると聞いた。そこで海外通販で使い勝手がよいと評判のPayPalを利用することとし、ペイパルの会員となり、クレジット・カードを登録した。
アルファ・スポーツのサイトは日本語で表示されるようになっている。たぶん世界中の言語に対応していて、自動で各国のことばに翻訳されるのだろう。だからどれを買うのか指定するのはたやすい。しかし英語で住所をどう記入したらよいのかわかからず、それを調べなければならなかった。住所の英語表記は以下のようになるのである。
Full Name これはローマ字で 名前 姓 の順にかく。
Address Line 1 住所 町名 丁目 番地
池袋1-1ー1 ならば 1ー1ー1Ikebukuro
Address Line 2 住所 建物名 部屋番号
ライオンズマンション303 ならば
#303 Mansyon Raionzu
City 市区郡
東京都豊島区
Tosima-ku
state province region 都道府県
東京都
Tokyo
zip postal code 郵便番号
〒170-0014
1700014
Country 国名
Japan
Phone Number 電話番号
03-1234-5678 固定電話
+81-3-1234-5678
090-1234-5678 携帯電話
+81-90-1234-5678
これだけのことをしらべて、11月10日にアルファ・スポーツの発注欄に名前と住所を記入し、Paypalを利用して購入手続きをした。するとすかさずペイパルで決済され、528、69USDが日本円62385円で取引が確定した。この日の為替レートは1ドル113円ほどだったが、決済額から計算すると、1ドル118円のレートとなっている。5円の差額で、これを取引額にかけると、ペイパルの手数料は2642円となるから、妥当な額だとおもった。
アルファ・スポーツからメールはこなかった。国内の業者ならばすかさずメールがくるが、海外はこんなものなのだろうとおもった。ただショッピング・カートの中が空にならず、決済前とおなじなのが不安ではあった。これも国内ではかんがえられないことである。また細かいことだが、発注量が変えられず、1を2にできなかった。そこでデ・コンプ・ワイヤーとクラッチ・ワイヤーをひとつずつ2行にわたって入力した。そして一度入力したものは消せず、300ドルまでの保険もかけたが、変更も増額も取り消しもできなかった。アルファ・スポーツからメールはこなかったがpaypalからはすぐにきた。取引の内容を記したメールである。
発注がおわれば部品が来るのを待つだけである。通常2週間ほどで荷物はくるらしい。しかしこない。3週間たってもこない。4週間がたとうとしてもこないから、6万くらいなくしてもよいつもりで発注したのだが、さすが不安になり、12月4日にアルファ・スポーツに問い合わせのメールをおくってみた。これは英語で書かねばならない。そこでGOOGLE翻訳で英文をつくってみた。以下はまことにつたない英文だが、参考のためにここにのこすことにする。
Inquiries about purchased product
購入した商品にたいする問い合わせ
I bought the parts for suzuki dr650 on November 10th.
11月10日にスズキDR650の部品を買いました。
shopper ID123456
顧客ID
paypal IDasd987
payapl ID
Please let us know what your shipping and arrival schedule is.
部品の発送と到着の予定をおしえてください。
メールをおくって待っていたのだが、返信がこないので、効果が抜群だというpaypalの問題解決センターの問い合わせシステムをつかうことにした。12月7日。paypalに取引の問題連絡をいれた。商品を買ったが届かないし、連絡もない。メールをおくっても返事もこないと。これは日本語でかいた。
すると翌日にはアルファ・スポーツから返事がきた。PayPalの威力はすごい。
We are waiting for one cable to arrive from Suzuki.You must give us enough time to collect your items.
Some are at our warehouse.We are waiting for the 58900-14A00 cable.Please release the PayPal dispute so we are able to ship when your parts arrive.
私たちはスズキからケーブルが入荷するのをまっています。あなたの部品をあつめるために我々にお時間をください。いくつかの部品は倉庫に在庫しています。私たちは58900-14A00(ケーブル・クラッチワイヤー)をまっています。あなたの発注した部品がとどいたときに我々が発送できるように、PayPalの紛争を解いてください。
最初からメールをおくってくれればこんなことにはならなかったのである。PayPalは相手に返信せよと指示してきたので、また英文をつくってメールした。
I was worried because the parts were not send and I did not get in touch.If the parts are in stock,I
am waiting.Please seng it when you have all the parts.
商品が送られてこないし、連絡もないので心配していました。部品が入庫するのであれば待っていますので、すべてがそろったら発送してください。
PayPalによると12月29日までにクレームにすることができるとのこと。それまでに部品がきてくれればよいのだが。とにかく待つことにした。12月27日に決済されるカード払いには、はやくもアルファ・スポーツの部品代がはいってきた。その前に目星をつけたいなとおもっていると、12月18日に商品が発送されたとPayPalからメールがきた。アルファ・スポーツからではない。しかし送ってくれたならつくのを待つだけだから気がらくになった。あとはただしい部品がくるのを祈るのみである。まちがったものが来たりしたら、ややこしくなるから、それは勘弁してもらいたいとおもった。
そして12月23日に部品がとどいた。もってきてくれたのは日本郵便である。そのまま受けとれるのかとおもったら関税がかかっているとのこと。3100円だ。配達員に支払って部品をうけとった。あとで明細をみてみると、関税が2900円、通関料が200円となっていた。荷物の中身はモーターサイクル・パーツとなっていて、価値は30843円となっている。これに対して2900円の税金だから安いとかんじた。じっさいは6万の買物だから6000円の消費税がかかってもおかしくないのだから。なお、日本郵便は関税の徴収と納税を代行してくれているのだと、国際郵便課税通知書に説明があった。また税金に疑問や異議のある者は支払いをせずに、税関に申し出よともあったが、そこまでする人もいるのかもしれない。
梱包をといたところ。
荷物の中身。
クラッチ・ワイヤー。
デ・コンプ・ワイヤー。
フロント・ディスク・ブレーキのローター。
これがいちばん手に入れたかったパーツだ。
部品にまちがいはなかった。OEMパーツと表示されていたがとどいたのは純正部品だ。後日フロント・ブレーキのディスク・ローターを交換するつもりである。またPayPalの問題解決センターには解決済みの手続きをとった。
結論としては62385円+3100円の65485円で欠品のパーツが手にはいったのだから、やってみる価値はあった。そして海外にはいろいろなパーツやアクセサリーがあるから、また何か買ってしまいそうである。
語学に堪能な方が窓口になってくれて、クレーム対応までしてくれるというのは夢のような話ですね。タンクやフォークなどとはびっくりです。
DRはまだいけそうです。今日もキック5回で始動して、15キロほど走行してきました。
30年ほど前になりますが、W1や古いBMのオフ車の部品を各国から輸入しました
バイク仲間から語学会話にたけている人がいて、とても信用のできる人だと紹介されたのです
部品を言うと各国から探してくれて、見積もりをくれるのです
支払いはその方のカード決済で、私は見積額を振り込むだけでリスクもありませんし、クレーム対応もしてくれました
30年くらい前は、アメリカのイーベイオークションでW1の新品部品がたくさんあり、タンク、フロントフォーク、ドラム、メーター、シートなど輸入しました
PayPalの手数料より安かったと記憶しています
最後に取引お願いしたのは8年くらい前が最後です。
DRまだまだいけますね!
海外通販は時間がかかります。日本の感覚ではトラブルだとおもってしまうくらいです。結局手元にとどくまで二ヶ月弱ですから、忍耐が必要ですね。しかしじっさいに待っていると長かったです。
以前乗っていたカジバの125のピストンとシリンダーを取り寄せようと、チャレンジしたことがありました。メーカーは作っておらず台湾製の社外パーツでしたが、イタリアから取り寄せになりました。
たどたどしい英文で督促しましたが、待てど暮せど届きません。再びたどたどしい英文で注文をキャンセルするメールを作り、結局買わず終いでした。もう少し待てば良かったかもしれません。
国内にないパーツが海外にあるのは皮肉ですが、それだけ海外で受け入られている証拠だと思います。
海外通販はとどくまでドキドキでした。ただやってみるとなんとかなるもので、関税もこんなものですから、これからも利用するつもりです。
来年もよろしくおねがいいたします。
Fukishimanです。
DRの部品を海外サイトで購入された経緯が細かく記載されており、不謹慎ながらも少しドキドキしながら楽しまさせていただきました。
最終的にはすべて、間違いなく納品されたということで、ホッとしました。意外と何とかなるものなのですね。
また、今年も明日を残すのみとなりました。来年もよろしくお願いします。
では、失礼します。