『ぶらり橋めぐり』その86。今回はJR王子駅から石神井川を遡ってみたい。王子駅北口を降りるとすぐ前には音無川親水公園が広がっている。
音無川は石神井川の支流で王子で合流するのだが、石神井川改修の際に音無川は飛鳥山公園の下のトンネルを通る流路に変わり、河川跡を公園として整備したもの。
少し先に歩くと水車や木製の太鼓橋などが見えてくる。今はあまり水が流れていないので見れなかったが、かつて存在した王子7滝の1つ『権現の滝』を再現してある。
木製の橋は『舟串橋』で昭和33年の狩野川台風で流された橋を復元したもので、当然ながら渡ることもできる。右側の崖の上には王子神社もあり、すっかり都会のオアシスとなっている。
見上げると音無橋というアーチ橋。王子と滝野川を結ぶ昭和4年に完成した橋で長さ50m、幅員18mの規模で上を明治通りが走る。完成には当時多額の費用を要し、今回新紙幣の肖像にもなる渋沢栄一が資金援助をしたもの。
音無橋の下を通ると左側には高いコンクリート製の護岸壁が現れる。背の高さより遥かに高く、石神井川の流れが全く見えない。そのまま塀に沿って歩いて行くと緩やかな登り坂となり、川が見え始める。
その先には簡素な橋、『松橋』がある。この橋は江戸時代は松で作られていたことからその名前があるが、先にある松橋山金剛寺やかつてあった松橋弁天とも関係あるのだろう。
橋から川を見ると水量は多くないが、水は透明でゆっくりと流れている。治水工事でかなり深く掘り込まれていてサギなども生息している。(以下、次回)