『関東三十六不動尊巡り』⑰、今回は第24番札所飛不動尊を訪れた。正式名称は龍光山三高寺正寳院という。東京メトロ日比谷線三ノ輪駅から歩くのだが、三ノ輪駅1a出口から降りて左に曲がり、少し先の東泉小学校を右折、そのまままっすぐ行くと左手に出てくる。
下町は道路がフラットに加え、まっすぐで実にわかりやすい。さらに信号には『飛不動尊前』があり、そのすぐ先である。
間口の狭いお寺で左右に提灯と赤い幟がたくさん並んでいて奥に本堂がある。お隣は学習塾、まわりも住宅地となっている。
飛不動尊とは独特なネーミングであるが、由緒は1530年に修験道本山派により開かれた修験道場である。また、本尊は飛不動尊だが、これは住職が大峰山で修行するため不在にしていた時、不動明王に人々が熱心に祈っていると一夜にして大峰山から飛び帰り、祈った人の願いを叶えたという逸話が残されている。このため、飛んでやってきた不動明王から飛不動と呼ばれて親しまれている。なお、飛不動という名前は1600年頃から使われていた。
提灯の並ぶ短い参道を歩くと正面に本堂があり、手を合わせるが、その奥に不動立像の姿を見ることができる。
左横には恵比寿堂、これは下谷七福神の一つであり、お正月などに七福神巡りをする善男善女に大変な人気がある。
御影と御朱印を頂くために納経所にいくが、こちらにはお守りが多く並べられている。特徴的なのは『飛』から飛行機での道中守りとしてご利益があるとパイロットやCAたちから篤く信仰されている。
面白いエピソードとしては2011年小惑星探査機はやぶさの通信が途絶えた時にプロジェクトリーダー川口淳一郎氏は飛不動を参拝し、お祓いを受けると46日ぶりにはやぶさからの電波を受信、さらに途中でエンジンの寿命が来て止まりかけたが、奇跡的に動き、無事に地球へ帰還したのである。
最先端の科学者もすがる飛不動さまの霊験があらたかになったものである。