統合医療日記

ここでの統合医療とは単に西洋医学と東洋医学の統合ではなく、病気を肉体と精神と社会及び自然環境の4視点から見ていきます。

地震とPTSDその後

2011-03-17 00:21:01 | 日記

農園での自然放射線(ラドン温泉地なのでやや高い)

高濃度ラドン温泉の放射線(1時間に0.53マイクロシーベルトの放射線が出ている)


最近統合失調の外来患者さんの病状が悪くなったり、入院中の患者がテレビを見て病状が悪くなったりしている。遠くでテレビを見ているだけでも悪くなるので、現場の被害者は大変なストレス状況が続いていると思われる。その上、原発事故に対するPTSDがとっても心配だ。日本人は原爆の関係で放射線に対する恐怖心が強い。PTSDを防ぐため、ここはしっかり理解する必要がある。同情するよりなんとか少しでもお役に立ちたい気持です。明日思い切って2万寄付します。「涙を出すより金を出せ」です。
 まず、1ミリシーベルトは1000マイクロシーベルトです。1年間で受けてもよい放射線量は1ミリシーベルトです。しかし私たちは自然放射線を年間2.4ミリシーベルト受けています。胸部レントゲンでも0.05ミリシーベルトくらいあります。胃透視やCT検査では7~8ミリシーベルトもあります。放射線関係の作業員は年間50ミリシーベルトまでとなっています。ですから1ミリシーベルトという基準はあまり神経質ならなくてもよいかと思います。
 問題は放射線源です。クリプトン、キセノン、ラドンなどの放射性希ガスは半減期が短く体に残りません。しかしセシウムやストロンチュウム、プルトニュウムなどはしっかりした原子核を持っていますから、からだの中に入ると放射線を浴び続けることになるのでできるだけ避けたいところです。この肝心なんところをテレビで言わないのでよく分かりませんが、取りあえずは放射線量が2ケタすなわち10マイクロ以上になると危険と考えたほうがいいと思います。一ケタでも散歩やいつものジョギングも控えるべきと思います。呼吸器から半減期の長い放射性同位元素が入らないようにすることが大切です。花粉対策と同じですが、花粉よりはるかに怖いものと思ってください。
 さくじつ、福島県庁で18~20マイクロシーベルトあったとのことです。これは2~3時間ごとに胸の写真を撮ってる感じですから、ややきついことと思います。屋内退避か遠くはなれる方がよいと思います。一時的であろうとは思いますが、神経質にならなくても風向きと放射線量には注意が必要です。核種が分かりませんが原発近くの人は、放射線量が上がり気味の時はヨード131やセシウムなどがあると考えて、家に入る前に服をはたき、不用意に窓を開けず、部屋の中では空気清浄機をいつもつけてフィルターは袋に入れて捨て、帰ったらマスクをとってうがい手洗い、すぐ風呂に入るなどの習慣をつけて下さい。
 もし大量に浴びてしまっても、多くの人は私たち医療従事者よりも少ないと思います。若いころ胃透視や大腸透視では、患者と一緒に中にいましたので、午前中何人もすると放射線宿酔を感じるくらい放射線を浴びました。午前中で10ミリシーベルトくらいいっていたかもしれません。長いことヨード131を使ってホルモンを測定していましたから半端ではなかったと思います。300ミリシーベルトを超えると白血球減少やガンになる確率が高くなりますので、深刻に考えると私もノイローゼになります。しかし放射線にはホルミシス効果というのがあって、それを知れば恐怖心は10分の一になります。遅くなりましたので次回に話します。

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