【映画2023】「カンフースタントマン 龍虎武師」＠2作目

「カンフースタントマン　龍虎武師」

香港カンフー映画を支え続けて来たカンフースタントマン達の過去と現在の栄枯盛衰を往年のスタント映像を見せつつインタビュー形式で綴るドキュメンタリー。
自分、子供の頃が丁度ジャッキー＆サモハンの全盛時代と丸被りで…あ、それ＋リー様（ジェット・リー）もネ✨、とにかく香港カンフー映画は大好きで観まくった。
2つ下に弟がいるんだけど、弟もサモハンとジャッキーにどハマりして、燃えよデブゴンとか五福星、蛇拳・酔拳系からキャノンボール、ポリスストーリーまでとにかく姉弟してめちゃくちゃハマりまくって映画観まくったもんなぁ～あぁ～懐かしい～！（←コレが後にディアゴスティーニのジャッキー・チェンDVDコレクション購入に到った訳よｗ）

と言う訳で、いきなりサモハンのインタビューとか始まってテンション上がるぅ～！
勿論サモハンだけでなく超有名ドコロだとユェン・ウーピンとかドニー・イェン様、チン・カーロッ、アンドリュー・ラウ等々の錚々たるメンバーがインタビューで色々語っているんですが、前半は香港カンフー映画の隆盛期の頃のお話がメインでカンフーアクションが先ず「ブルース・リー登場前と後」で大きく変わった事等が挙げられていました。
やっぱりブルース・リーって偉大なんだよね～本当に本当に早世したのが惜しい人だった。彼が長生きしてくれていたら、もしかしたら香港カンフー映画界は今とは違った形になっていたのかもしれないなーとさえ思わされる、正に伝説の人だったんだなと。
自分、ブルース・リーはちょーっと時代がズレてるからリアタイでは観てないんだけど、後に一通りは観てる。でもやっぱ自分の時代的にジャッキー推しなんだよな。

香港カンフー映画が一番煌びやかだった7～80年代の撮影苦労話とか、今は無きゴールデン・ハーベストの様子だったりを懐かしむ映像が続き…サモハンがどんどん求めるスタントが高度且つ危険度の高いモノになって行って、サモハンの現場だと言うとスタントマンが（怖がって）集まらない、みたいなエピソードとか色々面白い話もあった。

それが、映画後半になると時代に取り残されて香港カンフー映画の需要がなくなってからのジジイ達のエンドレス愚痴大会みたいなのにシフト（ｺﾗｺﾗ💦
映画を撮る場所も、それから映画を撮る予算も、香港から大陸（中国本土）へ移って行き、大陸の大型アクション作品に投入される大陸出身のスタントマン養成所がガンガンに作られていて人海戦術的にも圧倒的に大陸の方が強くて、もう香港カンフースタントマンに居場所なんてないじゃないですかぁ～みたいな恨み節全開^^;
まあ、そうはいうものの今でも「香港カンフーアクション協会」みたいなのが細々と活動しているらしく、何とか踏ん張りたい！という気概は見せていました。

でも思った。
本作もさ、過去映像とかはバンバンに使ってたけど、結局ジャッキーやリー様ご本人のインタビュー取れてないんだよね。
彼らは香港カンフー映画界で煌めいて、その後上手く「香港カンフー沼」から脱出してハリウッドに軸足置いて（または上手い事大陸側とネゴれて）「あの頃は良かった」とかグダグダとくだ巻いてる香港カンフー界の重鎮という名のジジイ達とは完全に一線を画している訳で。だから本作にも現在の姿でインタビューに出て来ない訳で。
やっぱジャッキーは違うんだよね。アクションスターだったけどちゃんとした実業家でもあった、という事なんだろうね。

インタビューの中で「当時のカンフースタントマンの多くは大金握ったら貯金も投資もしないで全部博打や遊びで使い果たしてた。だから歳取って何も残ってない」って言ってるんだよね。それがきっとジャッキーやリー様とはスタンスが違っていたんだろうと思う。まあドニー・イェン様やサモハンは今も現役バリバリでやってるから金に困ってる訳じゃないんだけど数多居た名も無きカンフースタントマンの多くはそうやって一時期身体張って大金稼いで、それをなぁーんも考えずにその場で使いまくって後に身体が動かなくなった時に何も残ってなくて路頭に迷ってるNOW！みたいな感じなんだろうなぁと。

最後にちょっと「でも皆んな香港でまだまだカンフー復活させるべく頑張ってるぜぇー！」みたいなプロモーションあったけど…まあ、私は新作出来たら観るよ！😊