「ゴールド・ボーイ」
中国人人気作家・紫金陳(ズー・ジンチェン)の小説「悪童たち」を中国でTVドラマ化→からの、舞台を沖縄に移して邦画実写映画化。何とも変わった経緯ですな。
原作小説未読ですし中国で制作されたTVドラマも未見。本作(の原作とか)どこかで話題になっていたんですかね?ぜーんぜん知らなかったなぁ~(鼻ホジ
あ、本作のレビューは完全オチバレになっていると思うので、映画未見の方は絶賛スルー推奨します。以降は自己責任で読んでねー💦
あらすじ
沖縄。実業家一家の婿養子である東昇(岡田将生)は、義父母を殺害して富と地位を奪おうと、綿密な計画を立てる。計画通りに義父母をがけから突き落とした昇だが、その様子を13歳の安室朝陽(羽村仁成)らが偶然にもカメラで捉えていた。朝陽は母子家庭で経済的な余裕がなく、仲間もさまざまな問題を抱えており、すべてを金で解決しようと、昇を脅迫する。昇と朝陽らが駆け引きを繰り広げる一方で、両親の死に不審を抱く昇の妻・静(松井玲奈)は従兄弟の刑事・厳(江口洋介)に相談を持ちかける。(Yahoo!検索情報から丸パク)
先ずね、タイトルの意味がよく分からなかったんだよなー。どうして「ゴールド・ボーイ」なん?
上にも書いたけど原作小説は「悪童たち」っていうタイトル(日本語訳でね、中国語だと「坏小孩 」と表記するらしい)なんだけど、話の内容にゴールド感あったか?別に邦題も中国語訳のまんまの「悪童たち」だったり、もーちょっとスマートに「悪童」だけのタイトルでも良かった気がする…あー、でも「悪童」だとなんか是枝裕和監督作品っぽく感じる?ここはやっぱり金子修介監督らしさをもう少し全面に…って、え?もしかして「金子→金→ゴールド」とかいう全面に出した感!?(いや流石にそれは違うやろw)
話がね…日本人には出来ない発想なんじゃないかな!って思ったよ。とにかく凄い話だったわ。
本作の面白いトコロがさ、映画冒頭から岡田将生さんサイドの話とクソガキ3人組サイドの話がほぼ並列で展開していて、ずーっとこの事件をカメラは第三者視点で大きく俯瞰している形で観客に見せているんですよね。あくまでも第三者視点なんだけど、微妙~に岡田将生さん演じる「美し過ぎるサイコパス・東昇」というキャラクターに肩入れしていくように誘導されている気がするんですよ。「肩入れ」という表現はちょっと違うかもしれないんだけど…観客は「このサイコパスがこの後どうクソガキ達と対峙していくんだろう」という目線になっているのは間違いない。そして岡田将生さんがまた美しくていいねー!美し過ぎると血も涙もない感じが冴え渡るわーステキ過ぎるなー^^
それがね、ある時点でゴロッとひっくり返されるんですよ。まるでオセロで圧倒的優勢だったハズの黒石が気が付くと真っ白に塗り替えられていた…みたいな。
コレは原作小説も脚本も凄く面白く出来てるんだと思うけど…映画を見慣れた観客の「先入観」も利用していると思うんですね。この話の展開で登場人物が一通り出揃って…と第三者目線で観ていると、当然だけど本作の中心人物である岡田将生さん演じる「東昇」が主人公だと思って観ているじゃないですか。いや実際映画のキャストリストの筆頭に岡田将生さんの名前がクレジットされている訳ですし…そういう側面もあって先に書いたけど岡田将生さんに「肩入れ」して観客は観ている、と表記した訳ですが。
ココが本作最大のミスリードだと思うんですよ。
役者の「格」で観客は勝手に主人公はコイツだ、と決め付けて観てしまう。だからある時点でそれがひっくり返されて「え?は?何が?」ってなるw
確かにね、意味深なシーンもチラホラあって微妙な違和感は誰もが感じていると思うんですよね。でもその小さな違和感の点と点が線になって繋がる頃には話がゴロッとひっくり返された後だった、みたいな感じですかね。久し振りに「うわーしてやられたなー」と思いましたよ^^;
どの段階で主人公はこの展開の青写真を描いていたんだろう…とか若干気になりますよね。当然だけど動画が撮れたのは本当にたまたま偶然な訳で。
それを「犯人を脅迫する→手っ取り早く大金が手に入る」というエサで仲間を引き入れて、もうこの段階でその先の展開に最終的に持ち込むという青写真は出来ていたという事かな?だとすると相当…あ、でもたまたま偶然動画が撮れていた段階で既に第一の事件は起こしていた訳だから…と考えると、なんか空恐ろしい話なんですよコレがなw
クソガキチームのブレーン「朝陽」を演じた「羽村仁成」君が凄く良かったですね…お?この方ジャニタレさんなんですか!知らんかった…
ギリの子役かと思ったけど年齢が16歳かーこれからどう化けるか、本作がその潮目を変える一作になるといいですね。まーでもね、岡田将生さんとの顔面タイマンはいくらジャニタレでもキッツイと思いますよーだって岡田将生さんの顔、出来過ぎやん?あんなんー自分だって岡田将生さんに殺されるんだったら喜んで成仏出来ると断言出来るわー(コラコラ
ラストのスタッフロール後に意味深な「第二弾」クレジットが…コレ、続編はムリやろ流石に。作るなら例えば…狂言回しを刑事にして違うシチュエーションの別事件にするとか?
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