天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画2025】「ブルータリスト」@10作目

2025年02月21日 | 映画感想
「ブルータリスト」

WW2末期、ホロコーストから逃れアメリカに渡ったハンガリー系ユダヤ人建築家の半生を描いた作品。主演はエイドリアン・ブロディ
今年のアカデミー賞主要部門含め10部門にノミネートされていて目下大本命との呼び声の高い一作。呼び声が高いのは結構な事なんだけど、本作とにかく上映時間が長いのも話題だと思う。前半100分+休憩15分+後半100分の計215分。なげーって!長過ぎんだってマジで💦


あらすじ
ハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トート(エイドリアン・ブロディ)は第2次世界大戦下のホロコーストを生き延びるも、妻のエルジェーベト(フェリシティ・ジョーンズ)、めいのジョーフィア(ラフィー・キャシディ)と引き離されてしまう。家族と新生活を築こうとアメリカへ移住した彼は、ペンシルベニアで著名な実業家・ハリソン(ガイ・ピアース)と出会い、ある礼拝堂の設計と建築を依頼される。しかし、母国とは文化や価値観も異なるアメリカでの仕事には、思いも寄らぬ困難と代償が待ち受けていた。(Yahoo!検索情報から丸パク)

先ず、本作の事をほぼ何も調べずに(予告編1回位見たかな?程度)鑑賞したのでタイトルの意味すら分からなかった。
ちなタイトルの「ブルータリスト」と言うのは【ブルータリズム】という建築様式を取り入れた建築家という意味で、ブルータリズムっつーのは「打ちっぱなしコンクリートの建造物のように、装飾を極力外して素材やテクスチャそのものに重きをおいた建築様式のこと(1950年代辺りから始まったらしい)」との事で、日本ではバブル期に結構この様式のビルとかマンションとかおしゃんてぃーカフェとか沢山作られたよなーというイメージですかね。

そして…本作で一番驚かされた事は、鑑賞後家に帰ってからとりあえず本作の主人公「ラースロー・トート」という人物について調べますわな。自分建築家とかあんまよく知らないし建築史にも疎いので…という訳でPCでググッてみたんですが全くこの名前の建築家がHITしないんだなぁ。
おかしいなぁと思いながら映画についても更に調べていくと、なんと本作完全なフィクションなんですね!要するに「ラースロー・トート」なんつー建築家は存在しないし本作に登場するような事件も事実も何一つないという事なんですよ。てっきり実在する人物の映画化だとばっかり思い込んでいたのでコレにはおったまげたマジで(滝汗

という訳で、映画観ていてコレが完全なフィクションだなんてとても思えない位この「ラースロー・トート」という人物について掘り下げている訳です。
割と淡々とした作風で第三者視点でずーっとラースロー・トートという人物を追い掛けて見せているんですが、ホロコーストの恐怖から逃れアメリカという新天地に移住を決めたラースローが移民(民族)の壁や宗教の壁を感じながら紆余曲折して行く様をスクリーンを通して観客が追体験するような不思議な感覚に陥ります。
前半が苦難を乗り越えてペンシルバニアで成功している実業家ハリソンと知り合い、ハリソンの出資で大きな礼拝堂を擁するコミュニティ施設を建築する事が決まって飛躍していく段階を見せ、後半からは生き別れになっていた妻と姪と再会し喜び合うものの様々な問題が立ちはだかって翻弄されていく様が描かれています。

上映時間の長さに観る前から若干憂鬱だったものの、蓋を開ければ退屈する事もなく時間を感じさせる事なくスラスラと観れちゃいましたね。
ただ、色々モヤる場所が無きにも非ず…資材を運んでいる列車が脱線横転事故を起こしたのはラースローと関係なくね?とか(都合の悪い事は弱者の移民ヤローになすりつけ、という事なんですかね?)ユダヤ人のラースローにプロテスタントの礼拝堂を設計させる事に嫌な視線を向ける人がいる、みたいなシーンもありましたが、宗教施設の設計って通常はその宗教の信者が設計するのが常識なんですかね?そこら辺の事情が自分は疎いので違和感感じましたね。
あと、本作レイティングがR15+なんですが…鑑賞前は「あーホロコースト系ネタだからそういう残虐シーン結構あるんかな」と思っていたんですが、映画始まったら早々にエイドリアン・ブロディがち○こ晒け出してたから「そーゆー事かい💢」ってなったわw
て言うかー本作のSEX描写って必要ですかね?全くないのも不自然?だったらもっとフツーに夫婦が愛し合っとけよお薬キメセクとか流石にいらねーだろ(苦笑

途中でイスラエルに移住する姪夫婦とか登場しますし、なかなかに日本人には理解し難い「アメリカ移民史」だったと思います。
本作は完全なフィクションですが、本作の登場人物のような移民が沢山アメリカにはいてそれが様々な軋轢や差別・分断を生んで今のアメリカがあるのだなぁと考えさせられました。

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