このミスランキング篇はこちら。
今回は読書篇PART1としてミステリを。邦洋とりまぜてまいります。
1 「罪の轍」奥田英朗 新潮社
2 「拳銃使いの娘」ジョーダン・ハーパー ハヤカワ・ミステリ
3 「本格力 本棚探偵のミステリブックガイド」喜国雅彦・国樹由香 講談社
4 「我らが少女A」高村薫 毎日新聞出版
5 「魔眼の匣の殺人」今村昌弘 東京創元社
……次点は「ディオゲネス変奏曲」「脇坂副署長の長い一日」(真保裕一)「ミレニアム5」(ダヴィド・ラーゲルクランツ)「泥棒はスプーンを数える」(ローレンス・ブロック)あたりかな。あ、こんなに次点が多いんならトップテンにすればよかった。
「罪の轍」はわたしにとって圧倒的だった。「オリンピックの身代金」に続き、奥田の昭和30年代シリーズは二度目のマイベストです。
「拳銃使いの娘」は、そのいかにも読者の要求を知り尽くしている職人作家ぶりがすばらしい。映像の世界と著述の二股をかけている作家の多さに驚かされた一年でもありました。こんなことなら、デビッド・ベニオフはどうしてあの傑作「卵をめぐる祖父の戦争」をドラマ化しないのだろう。「ゲーム・オブ・スローンズ」でたいそう儲けているはずなのだからなんとかすればいいのに。あ、こんなときこそNetflixだろ。
本棚探偵シリーズはどれも楽しいけれど、今回が最高。変態亭主と清純愛妻の絶妙のコラボ。にしても、あの「傷だらけの天使たち」の作者が「ミステリ」「本棚」「古本」そして「マラソン」というキーワードでくくれることになろうとは。
「我らが少女A」をミステリとして扱うのは確かに無理あるかも。合田雄一郎シリーズの新作とはいえ、もうミステリどころか娯楽小説の範疇もはみだし、今作は運命への諦念が静かに描かれる。でも合田は捜査一課に復帰するということだし、次作はこちらの業界に復帰してほしいものだが……無理でしょうね。
「魔眼の匣の殺人」についてはなにも申しますまい。年に一回、このレベルの作品を書いてくれたら今村は大天才ってことじゃないでしょうか。
で、わたしは「ノースライト」にはちょっと賛成できないのでした。次回は非ミステリ篇。
2020年篇はこちら。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます