再見。最初に見た時もその構成(「2日目」からスタートし、ラストに1日目の描写が入る)に恐れ入ったものだが、コロナの脅威にさらされているなかで観ると、この映画が現実をはるかに先取りしていたことがわかる。
・クラスター
・ソーシャル・ディスタンス
なんておなじみのフレーズはすでに使われていた。中国発のウィルスであることも。
陰謀論に傾いて細菌兵器ではないかと疑う人物が出て来たり、ブロガーがニセの情報を流して大衆を煽ったり、まるで予見していたかのよう。まあ、日本ではなんと現役の知事がイソジンが効くとか放言したのであきれ果てましたが。
字幕では「保健師」となっているが、被害者のひとりがスクール・ナース、つまりは養護教諭であることは一致してほしくない。
わたしたちは医療現場でどのようなことが行われているかを知ることはできない。しかしこの映画で“現場”がどのような状況かを感じることができる。きわめて冷静でありながら、ひとりの英雄的な行動が……
マット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン、エリオット・グールド、ジュード・ロウなどの男優陣もすばらしいが、マリオン・コティヤール、ケイト・ウィンスレット、グウィネス・パルトロウ、ジェニファー・イーリーを並べた女優選択のセンスもすごい。
スティーブン・ソダーバーグの演出はまことに快調で、彼とよく組むクリフ・マルティネスの音楽も不安を駆り立てる。
にしても、これほど未来を予見した映画だから、公的な組織がかなり協力したはずだ。そんな優秀な組織が、きわめて無能で有害な大統領のせいで力を発揮できなかった皮肉。ここまでは、予見できなかったか。
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