第十四回「栄一と運命の主君」はこちら。
栄一(吉沢亮)と喜作(高良健吾)はそれぞれ平岡円史郎(堤真一)から「篤太夫」「成一郎」という名をもらう。成一郎はいいとしても篤太夫はいかにもおじいちゃんっぽい。笹野高史か徳井優が演じるみたい。タイトルもそのために「栄一、○○する」というジョルジュ・シムノンのメグレ警視的なタイトルが篤太夫に変更。栄一でなくても調子狂う。
その徳井優が実際に演じたのは、大阪湾の防御をまかせられた薩摩藩士の折田要蔵。栄一は(篤太夫では雰囲気がでないので栄一のままいきます)平岡に命ぜられて折田の内偵に入る。家康言うところの“わがファミリー”となった栄一なので、つまりは隠密です。
その才を次第に発揮する栄一。しかし薩摩藩士は彼に疑いの目を。
ここで登場したのが三島通庸(みちつね……みんな、つうようと呼んでますけど)。山形県人にはおなじみ、初代県令です。「鬼県令」の通り名の方がわかりやすいかも。大河ドラマ関係では「いだてん」の三島弥彦(生田斗真)のお父さんとしておなじみ。白石加代子の旦那ってことね。山形県酒田市の人間としてはワッパ騒動を弾圧した……ああ話が長くなってしまう。
この巨大な一揆の背景にあったのは、西郷隆盛が賊軍である庄内藩を厚遇したことへの恩義があったわけ。そしてその西郷隆盛登場。博多華丸です。強力な眼光と、「あさイチ」での貢献のおかげかも。「真田丸」で、番宣と最終回にだけ登場するってのはおしゃれだったなあ。
さて、芸能界を激震させたのは田村正和の死去。どんなネタも大河にからめてしまえば、田村正和はおよそ五十年ものあいだ大河ドラマに出演していない。吉川英治原作の「鳴門秘帖」で一年間出ずっぱりだったことを思えば、たとえば天皇役などで起用する手はあったはずなのに。大人の事情があったのか。
今週はついに平岡円史郎に死亡フラグが立つ。あまりに先が見える人間は非業の最期を……いますね、このドラマにもたくさん。
第十六回「恩人暗殺」につづく。
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