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旅の拾いもの ②「天龍寺百花苑」

2016年05月31日 | 歴史、過去の語り方


念願の大河内山荘へ宿からは近いからと道を確認せずに向かったら、天龍寺に一旦入らないと大河内山荘へは至れないことがわかった。(帰りに桂川沿いの道があることを知る)
いつも混んでいる天龍寺は、必ず避けて通る観光スポットベスト5(清水寺、金閣寺、竜安寺、紅葉シーズンの京都)みたいな場所。
あきらめて庭園参拝コースのチケットを買って北門を目指すことにした。

すると、北門になかなかたどりつけずに歩いていた庭園「百花苑」の草花があまりに凄いのに驚かされました。
よくある万葉植物園のたぐいよりも遥かに充実した庭園でした。

(残念ながら、ここは当初の目的には考えていなかった場所なので、写真を撮る意識がなく、適切な説明になるような写真が残っていません。)

 

 


和花の種類が豊富なのに加え、その草花の名前の表示が、日本名に加えて中国名まで併記されてるのです。

しかもそれがアクリルやプラスチックのプレートなどは使わず、すべて木の立て札に墨書きされているのです。



たとえばウツギは、万葉表記で宇能花、宇乃花、宇乃波奈、宇能婆奈、干花などとなる。
これに中国名が加わるとまったく違う花のイメージもわいてくる。

もっとも、これをみると中国名の表記は、外国人観光客が増えてからの新しい札のみで、それも英語やハングル語表記とあわせてあるので、古来の中国名であるとも限らないかもしれない。



それほど見事な庭園だったので、売店でこの植物園の植物図鑑のような本でも売っていないかと妻が聞いてみたが、残念ながらそのようなものは作られていないとのことでした。

市販の植物図鑑でも、和花についてこれほど良い情報が書かれているものはなかなかないと思います。


月夜野所縁の源順が、アジサイをまったく違う中国の花の呼び名「紫陽花」と名付けてしまった事情などがよくわかる。

余談ながら以下はアジサイについての妻の書き込み情報の転載
「紫陽花」日本語漢字は唐の詩人白居易がライラックに付けた名で、源順がこの漢字をあてたことから誤って広まった。草冠の下に「便」を置いた字や(新撰字鏡)、「安知佐井」「止毛久佐(しもくさ)」。紫陽花の葉が便所で使われる地域もあったことや止毛久佐はトモクサと読めるがシモクサと読んだ。また別名として「またぶりぐさ」とも。そういえば小学校の頃トイレの裏や古い大きな家のそこも紫陽花の花が植えてあったのを思い出します。この風習の名残かも...一寸余談。


ものの見せ方、伝え方がいかに大事かと、とても良い勉強をさせてもらいました。

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