細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●イン・ハー・シューズ」の難読症と、アルツハイマー病

2005年09月20日 | Weblog
●9月20日(火)13-00 六本木<FOX試写室>
M-125 「イン・ハー・シューズ」In Her Shoes (2005) 米
監督・カーティス・ハンソン 主演・キャメロン・ディアス ★★★★☆
インテリだが美貌に自信のない姉トニ・コレットと、美形だが難読症でスターになれない妹キャメロンのモメごとだらけの日々に疎遠だった叔母さんのシャーリー・マクレーンが現れてから、ドラマが締まってくる。
ジェニファー・ウェイナーのベストセラー小説を、「8 mile」のカーティス・ハンソンが演出、制作がリドリー・スコットなので、ハリウッド第一級の人間ドラマになった。コミカルなタッチはハーバート・ロスの作品のような女性的ムードが充実して、久しぶりに繊細なヒューマン・ドラマだ。キャメロン・ディアスの変身したような演技をコレットとシャーリー・マクレーンが支えたアカデミー・レベルの傑作だ。
●9月20日(火)10-00 六本木<GAGA試写室>
M-124 「私の頭の中の消しゴム」2004 韓国
監督・イ・ジェハン 主演・ソン・イェジン ★★★☆☆☆
恋をして結婚をした新婚生活だが、若妻のアルツハイマー発病で、幸福な現実は悪転していく。
健忘症が進行して記憶喪失になるラブ・ストーリーはドリュー・バリモアの「50回目のファースト・キス」を思わせるが、生命よりも先に知能が死ぬ、という、この難病は悲惨で、韓流メロドラマのムードで一気に盛り上げる。
「ここは天国ですか?」とつぶやいた若妻の放心にホロリとするが、演出は軽すぎてサラリとして不満が残る。
難病ものなら、もっとなり振り構わず動転するような意外なアイデアが見たかった。
「四月の雪」のように、この甘さがファンにはいいのだろうが・・・。