細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●「ママが泣いた日」は上質な女性ホームドラマ。

2006年03月13日 | Weblog
●3月13日(月)13-00 京橋<映画美学校・第二試写室>
M-034 「ママが泣いた日」The Upside of Anger (2004)newline 米
監督・マイク・バインダー 主演・ジョアン・アレン ★★★☆☆☆
オーソドックスだが案外に上質な女性だけのホームドラマだ。
年頃の4人姉妹を残して、浮気な中年の夫が秘書と突然に蒸発した。
母子家族となったストレスで、ジョアンの演じる妻はキレてしまいアルコール依存症になり、やたら怒りまくる。
「若草物語」の現代バージョンというか、「マグノリアの花たち」のような、陽気な女性ドラマ。
それぞれの問題を抱えて口論の絶えない家族だが、悲壮感はない。
それは、4人の姉妹がそれぞれに個性的で成人しているからで、いちばん子供みたいにキレまくる母親が台風の目だ。
あの名作「愛と追憶の日々」のように、理解のある隣人のケビン・コスナーが何かと介入してくる。
元大リーガーの彼は、しがないDJをして気ままな独身生活をしているが、この存在が女性家族をかき回す。
このケビンがなかなかにいい味だ。
再三にわたって、ジョアンにアプローチするタイミングが絶妙なのだ。
おそらく、デトロイト・タイガース時代、彼はキャッチャーだったのだろう。
「俺みたいに我慢強くていい奴はめったにいないぞ」とタンカを切るあたり、説得力があった。
古風だが、ラストには意外な展開もあり、拾い物の一本である。