●6月8日(木)13-00 東銀座<U.I.P.試写室>
M-071 「ユナイテッド・93」United 93 (2006)universal/ 米
監督・ポール・グリーングラス 主演・ベン・スライニー ★★★★☆
「ユナイテッド・93便」は、当時まったく事件が報道されなかった。
あの日、消息をたった4機目のハイジャック機である。
9-11の朝、コーランを唱えてニューアーク空港に向かうテロリスト・グループ。
その時間に搭乗するフライト・スタッフや乗客たちの姿が、明るい朝のまぶしい陽を受けている。
そんな日常が何事もなく始まるこの映画は、まったく無名の人々を使ったドキュメンタリー・タッチの再現ドラマだ。
離陸した窓の外に、一瞬あのツイン・タワーが光って見える。
映画は、管制センターのレーダーからボストン発のアメリカン航空の機影が消えた瞬間から混乱が始まる。
はじめて事件を知ったのは、CNNニュースの画面に映されたツイン・タワーの衝撃の映像だった。
狼狽した管制官たちの目の前で、2機目がタワーに突入するシーンの衝撃は鮮烈だ。
93便がハイジャックされたのはその直後。機内のパニックは極限状態となり、映画はリアルタイムでクライマックスを迎えるが、この迫真の演出は「ボーン・アイデンティティー」の監督の手腕で、たたみかける。
とくにヒーローもいない再現ドラマなのに、これだけリアリティーがあるのは、緻密な記録が再現されているからだ。
結局、ハイジャックされた4機の中で、乗客の抵抗でテロが失敗したこの93便の真実は、人間の勇気を描くための最大のエピソードだったのだろう。エンターテイメントでもドキュメントでもない。
恐ろしい驚愕の真実だが、見るだけの感動はある。歴史の汚点だが目はそらせない。
93便の乗客の勇気のために、この映画は評価すべきだろう。
M-071 「ユナイテッド・93」United 93 (2006)universal/ 米
監督・ポール・グリーングラス 主演・ベン・スライニー ★★★★☆
「ユナイテッド・93便」は、当時まったく事件が報道されなかった。
あの日、消息をたった4機目のハイジャック機である。
9-11の朝、コーランを唱えてニューアーク空港に向かうテロリスト・グループ。
その時間に搭乗するフライト・スタッフや乗客たちの姿が、明るい朝のまぶしい陽を受けている。
そんな日常が何事もなく始まるこの映画は、まったく無名の人々を使ったドキュメンタリー・タッチの再現ドラマだ。
離陸した窓の外に、一瞬あのツイン・タワーが光って見える。
映画は、管制センターのレーダーからボストン発のアメリカン航空の機影が消えた瞬間から混乱が始まる。
はじめて事件を知ったのは、CNNニュースの画面に映されたツイン・タワーの衝撃の映像だった。
狼狽した管制官たちの目の前で、2機目がタワーに突入するシーンの衝撃は鮮烈だ。
93便がハイジャックされたのはその直後。機内のパニックは極限状態となり、映画はリアルタイムでクライマックスを迎えるが、この迫真の演出は「ボーン・アイデンティティー」の監督の手腕で、たたみかける。
とくにヒーローもいない再現ドラマなのに、これだけリアリティーがあるのは、緻密な記録が再現されているからだ。
結局、ハイジャックされた4機の中で、乗客の抵抗でテロが失敗したこの93便の真実は、人間の勇気を描くための最大のエピソードだったのだろう。エンターテイメントでもドキュメントでもない。
恐ろしい驚愕の真実だが、見るだけの感動はある。歴史の汚点だが目はそらせない。
93便の乗客の勇気のために、この映画は評価すべきだろう。