細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●「今宵、フィッツジェラルド劇場で」フェアウェル・ショウ。

2006年12月14日 | Weblog
●12月13日(水)13-00  新橋<スペースFS汐留ホール>
M-141 「今宵、フィッツジェラルド劇場で」A Prairie Home Companion (2006)米
監督・ロバート・アルトマン 主演・メリル・ストリープ ★★★★
つい最近他界した監督の遺作となったが、まるでご自分の死期を知っていたような作品である。
人気のラジオ・ショウの最終日に、多くのゲストが集まって歌を披露したが、その中に見かけない白いトレンチ・コートの女性がいる。
天使であり、死神なのだが、彼女の存在が、この作品を運命的なドラマとして厚いものにしている。
陽気で人情味のあるフェアウェル・ショウは、まさにジョン・ヒューストン監督の「ザ・デッド」がそうだったように、まるで監督のラスト・パーティのようだ。
いつもの群衆ドラマを、まるでミュージカル映画のように陽気なメロディで貫き、そのパーティが終わったあとの、ダイナーでの時間が心地いい。
とくにアルトマンの最高とは言わないが、アベレージを維持したラスト・ピクチャーに拍手したい。