細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●「怪談」に見られなかった怨念の進化

2007年06月12日 | Weblog
●6月11日(月)13-00 東銀座<松竹試写室>
M-073 「怪談」(2007)松竹
監督・中田秀夫 主演・尾上菊之助 ★★★☆
江戸時代の鬼怒川、<かさね伝説>といわれた連続殺人事件。
「リング」の中田監督の日本美学が楽しみだったが、後半はおなじみの殺戮ホラーになってしまった。
ひとの恨みとか妬み、怨みの感情表現は、作家の感性によってどのようにも描かれる。
果たして、クールな視点での日本美に、その歪んだ感性がどう表現されるのか。
しかし、ここでも旧来の怪談の枠を出るような、新しい魑魅魍魎は見えなかった。
恐怖は心のなかに潜むもの。それを投影することの難しさが露呈した。