●2月19日(火)13-00 京橋<テアトル京橋試写室>
M-023『ランジェ公爵夫人』Ne Touchez Pas La Hache (2006)仏
監督/ジャック・リヴェット 主演/ジャンヌ・バリヴァール ★★★★
バルザックの文学を、あの『美しい諍い女』のリヴェット監督が映画化。
端正な舞台構成と、シンプルな人物配置で、男と女だけの恋狂いを見つめて行く。
19世紀初頭のパリ社交界では、ナポレオン軍の英雄モンリヴォー将軍と、ランジェ公爵夫人の恋の行方が噂となった。
男のプライドと、女のわがまま。その亀裂。
古典的な背景で華麗な関係が、思わぬ方向へ急速に転落していく。
歯車の狂ったふたりの恋は、まさに火に油を注いだようだ。
劇中で焦燥した夫人が、召使いに暖炉の火を強くするように命じた。
冷えた関係は、この火種では取り返しがつかない。
久しぶりに恋の痛ましい惨状を見る思いがした。
そして、こうした古典文学を確かな演出で再現する監督の情熱には敬服。
137分という長尺を飽きさせないパワーはさすがで、ちょいと変化に乏しい二人の恋の表情を、拭ってくれた。
お見事であった。
●4月5日より、岩波ホールで公開予定
M-023『ランジェ公爵夫人』Ne Touchez Pas La Hache (2006)仏
監督/ジャック・リヴェット 主演/ジャンヌ・バリヴァール ★★★★
バルザックの文学を、あの『美しい諍い女』のリヴェット監督が映画化。
端正な舞台構成と、シンプルな人物配置で、男と女だけの恋狂いを見つめて行く。
19世紀初頭のパリ社交界では、ナポレオン軍の英雄モンリヴォー将軍と、ランジェ公爵夫人の恋の行方が噂となった。
男のプライドと、女のわがまま。その亀裂。
古典的な背景で華麗な関係が、思わぬ方向へ急速に転落していく。
歯車の狂ったふたりの恋は、まさに火に油を注いだようだ。
劇中で焦燥した夫人が、召使いに暖炉の火を強くするように命じた。
冷えた関係は、この火種では取り返しがつかない。
久しぶりに恋の痛ましい惨状を見る思いがした。
そして、こうした古典文学を確かな演出で再現する監督の情熱には敬服。
137分という長尺を飽きさせないパワーはさすがで、ちょいと変化に乏しい二人の恋の表情を、拭ってくれた。
お見事であった。
●4月5日より、岩波ホールで公開予定