細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『長い長い殺人』それぞれの財布の軽さ。

2008年04月24日 | Weblog
●4月23日(水)13-00 神谷町<ソニーピクチャーズ試写室>
M-045 『長い長い殺人』(2008)シネマート/SPO/WOWOW 日
監督/麻生 学 主演/長塚京三 ★★★☆
宮部みゆき原作小説の映画化。
保険金目当ての殺人事件と思われた一件が、奇妙な連鎖的事件を引き起こす。
それぞれに微妙な関係のある事件の、それぞれの関係者の財布が、オムニバス形式で語っていく。
アイデアは面白いストーリーだが、この分断された映画展開が、どうも連続テレビドラマの軽さとなってしまう。
病気持ちのデカ長を演じる長塚警部も、無愛想な私立探偵の仲村トオルも、そのせいか存在感が軽いのだ。
加えて関係する女性たちも、一様に似たようなタイプで個性が不明。
殺意の見えない最近の都会犯罪の異常性は、たとえば『ゾディアック』や『犯人に告ぐ』のようなシャープな切り口で見たかったが、どうしてもテレビ局製作の簡便さが、全体をコンビニ気分に仕上げてしまっているようで残念だ。

●5月31日より、シネマート六本木などで公開