細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『1408号室』には絶対に泊まってはいけないのに・・・。

2008年10月24日 | Weblog
●10月23日(木)13-00 渋谷<ショウゲート試写室>
M-122 『1408号室』' 1408 '(2008) MGM/ dimension film
監督/ミカエル・ハフストローム 主演/ジョン・キューザック ★★★☆
またしてもスティーブン・キング原作の短編ホラーの映画化。
秀作『シャイニング』と似たような設定だが、今回はマンハッタンの大ホテルの1408室だけに自殺者や怪奇的な事件が起こるという、一種のオカルト怪談。
子供に死なれてから別居中のキューザックは、心霊現象などを探索して、その背景を解明することをテーマにした本を書いている作家。
まるでアルゴンキンやカーライルやレキシントン・ホテルのような古いホテルは、たしかに怖い。
ひとりでそんなホテルに泊まっていると、いかにマンハッタンとはいえ、気味が悪いものだ。
突然鳴り出すラジオ。壁からもれる子供の泣き声、時間がさかのぼる目覚ましタイマー、異様な壁画。
気になるものは沢山ある。だから着想は面白く、次第に不思議な現象が現れる展開もいい。
問題は彼の記憶と、怪奇現象の着地に曖昧さが残ることだ。
ホテルのマネジャーのサミュエル・L・ジャクソンがせっかく面白い存在なので、もっとドラマに絡んで欲しかった。キューザックの独演は、個人的な被害妄想に終わってしまうからだ。残念な怪作だ。

●11月22日より、渋谷東急などでロードショー