細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●『銀色の雨』はなかなか晴れそうに見えないな。

2009年10月28日 | Weblog
●10月27日(火)13-00 銀座<シネマート試写室>
M-112 『銀色の雨』Silver Rain (2009) S.P.O.マジックアワー/日
監督/鈴井貴之 主演/賀来賢人 ★★★☆
浅田次郎の短編の映画化で期待した。
引退を考えて故郷の米子に帰って来たボクサーと、登校拒否の新聞配達学生は、偶然バーのホステスのアパートで世話になる。奇妙な3人のそれぞれの過去の悩みが交錯していく。
かなり重いテーマなのに、映画は軽い青春タッチで描いて行く。
どうも、この軽さが、後半のドラマの重さを支えきれなくなってしまった。
中村獅童のボクサーも、アルツハイマーの母を見舞う人間的な優しさと、ボクシングに挑む強さがアンバランスな描写となっていて、せっかくのドラマ性を薄くしてしまったようだ。
これは監督が<雨>の感性にこだわってか、映像に情感を込めようとした狙いが、散発に終わったようで、詩的な台詞も、空虚に聞こえてしまった。惜しい作品だ。

●11月28日より、シネマート新宿などでロードショー